シャニダール3号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 01:29 UTC 版)
「シャニダール洞窟」の記事における「シャニダール3号」の解説
シャニダール3号 (Shanidar 3)は40歳から50歳の成人男性で、シャニダール1号および2号と同じ墓穴から見つかった。左第九肋骨を損傷しており、このことは先端の尖った道具による刺し傷からの合併症で死亡したことを示唆している。傷の周りの骨の成長からは、シャニダール3号が物体を体内に埋め込んだまま、負傷後少なくとも数週間は生存していたことが示されている。傷の角度は、これが自己刑罰でないならば、他者による意図的もしくは偶発的な刺突と一致している。近年の研究では、傷が長距離射撃によるものである可能性も示唆されている。同時期に西アジアに存在した初期のホモ・サピエンスはおそらく射撃武器を用いており、種の間の抗争が引き起こされたという見解もある。化石に残る人類の記録の上で、個人間ないしは生物種の間の暴力の最初の例である可能性があり、ネアンデルタール人の中で唯一の事例である。 また、シャニダール3号は足の骨折や捻挫から生じる退行変性関節疾患 (DJD) を患っていた。これは痛みをもたらし、動きは限られたものとなったであろう。シャニダール3号人骨は、ワシントンD.C.にある国立自然史博物館(スミソニアン博物館群の一つ)の Hall of Human Origins に展示されている。
※この「シャニダール3号」の解説は、「シャニダール洞窟」の解説の一部です。
「シャニダール3号」を含む「シャニダール洞窟」の記事については、「シャニダール洞窟」の概要を参照ください。
- シャニダール3号のページへのリンク