システム・デザイン・プログラム系
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「西原清之」の記事における「システム・デザイン・プログラム系」の解説
トロント大学在任中に受けたもう一つの出会いは、1964年に出版されたばかりの、クリストファー・アレグザンダー(Christopher Alexander)の本だった。難解な数学理論を駆使して、形(form)を操作する見事さに魅了されたが、西原は既に卒論で<色彩と形の関係>について専攻していたので、理解するのにあまり時間はかからなかった。形の操作はデザインとシステムとの関係の解明へと進み、やがて現代における建築が単なる箱(シェルター)ではなく、情報やエネルギー的供給を常に受けなくてはならない<空間の制御装置>であるという概念の形成に至る。そして空間は刺激応答系を内包し、限りなく自動化を目指しているとした。 これらの過程を整理したのが2冊目の本、「空間のシステム デザイン」となった。東京大学の丹下健三研究室出身者で、システム工学的アプローチを目指したのは、西原清之のほかにも山田学、月尾嘉男などがいたが、丹下健三研究室では少数派であった。 1967年になって、当時は東京大学助教授であった石井威望(現:東京大学名誉教授)と、丹下健三研究室の大学院生であった月尾嘉男(現:東京大学名誉教授)らとKAM-1号プロジェクトを完成させているが、その頃はコンピュータを使った空間のシミュレーションは珍しく、AIによる最先端を行く研究であったと云われている。詳細については前掲の著書の中で具体的に引用されている。 なお、1984年から千葉大学の<計画工学>講座で、システム工学的建築計画論を講義しているが、これはオリジナルに書きおろされたものであったのに、出版された記録はない。 SH-1号プロジェクト(1958) 新制作派協会展/システム化住宅作品 KAM-1号プロジェクト(1967) 大田区/JR蒲田駅前再開発 M-1号プロジェクト(1970) 三菱化成/量産住宅の開発 公団住宅のストック改良諸方策に関する研究(1977-1979) 住宅都市整備公団 カタログ方式による住宅供給に関する研究(1984) 住宅都市整備公団 既存住宅における内装部品装置の研究(1986-1992) 住宅都市整備公団+BL部品開発センター 大規模団地における建替え手法に関する研究(1990-1994) 住宅都市整備公団 千葉大学建築学科講義録(1985) 計画工学講座
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