シグナル伝達システムの各段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/13 05:43 UTC 版)
「シグナル伝達」の記事における「シグナル伝達システムの各段階」の解説
シグナル伝達の基本的な流れとしては、細胞膜上・細胞質中の因子が次々にシグナルを受け渡しながら他の経路とも影響し合い(「クロストーク」という)、最終的には核内の転写因子による特定遺伝子の転写調節(さらにそれによる細胞の変化)や、アポトーシスによる細胞死などの効果をもたらす、というものとなる。 この流れは、基本的に、細胞間で行なわれるものと、細胞内で行なわれるものとに分けることができる。この場合、細胞膜上の受容体において、細胞外シグナルから細胞内シグナルへの変換が行なわれる。ホルモンに代表される細胞外シグナルをシグナル分子といい、これに対して細胞内シグナル分子をセカンドメッセンジャーという。ただしステロイドホルモンなどの場合は、細胞外シグナル分子が細胞膜を透過し、そのまま細胞内シグナル分子として機能し、細胞質内の受容体に働きかけて、直接転写を制御する。このような反応は1ミリ秒ほどの時間で起きる。 多くの場合、最初の刺激から過程が進むにつれ、関与する酵素や分子の数が増大する。このような反応の連鎖は「生化学的カスケード(英語版)」と呼ばれ、弱い刺激から大きな反応が誘導(増幅作用)される。効率によってはたった1つの刺激で数百万ものシグナル分子を応答させることができる。この結果は生命個体にとって全く無視できるレベルのものから、病的なレベルに至るものとなる可能性もある。
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