シグナル伝達の活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/29 15:04 UTC 版)
METとの結合によって複数のシグナル伝達経路が活性化される。 RAS経路はHGFによって誘導される細胞の拡散と増殖のシグナルを媒介し、分枝形態形成(branching morphogenesis)を誘導する。HGFは大部分の分裂促進因子とは異なり、持続的なRASの活性化、そして長期にわたるMAPK活性を誘導する。 PI3K経路は2つの方法で活性化される。PI3KはRASの下流因子であり、また多基質ドッキング部位にも直接リクルートされる。PI3K経路の活性化は、細胞外マトリックスへの接着の再構成や、RAC1、PAK(英語版)など細胞骨格の再組織化に関与するシグナル伝達因子の局所的なリクルートを行い、これらを介して細胞の運動性と関係していると考えられている。また、PI3Kの活性化はAKT経路の活性化によって生存シグナルを開始する。 STAT経路は、持続的なMAPKの活性化とともに、HGFによって誘導される分枝形態形成に必要である。METは、SH2ドメインを介してSTAT3(英語版)を直接的に活性化する。 β-カテニンはWntシグナル経路の重要な構成要素であり、METの活性化後に核へ移行し、多数の遺伝子の転写調節に関与する。 Notch経路に関しては、DLL3(英語版)などのDeltaリガンドの転写が活性化される。
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