Rasの活性化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 13:58 UTC 版)
不活性なRasはGDPと結合しているが、これがグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によりGTPと交換されると活性化する。PDGF(血小板由来成長因子)やNGF(神経成長因子)、EGF(上皮増殖因子)などを含む事実上すべての受容体型チロシンキナーゼ(チロシンキナーゼ受容体)(RTK)が何らかの分子を介してRasを活性化する事が知られている。 例えばEGF(上皮増殖因子)の場合、受容体に基質が結合しEGF受容体の特定のチロシン残基がリン酸化されると、それを認識するSH2というドメインを持つGrb2というアダプタータンパク質が引き寄せられ活性化したEGF受容体に結合する。すると、Grb2のSH3というドメインを介してSosが結合し活性化する。SosはRas-GEFとしてRasのGDPをGTPに交換しRasを活性化する。ただし、EGF受容体とGrb2との間にShcがはさまることもある。 このようにして活性化されたRasはGTPase活性化蛋白質(GAP)と結合するとGTPを加水分解してGDPに変えることで不活性型となる。
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