ゴースト機能の導入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 18:58 UTC 版)
「SAMURAI SPIRITS (2019年のビデオゲーム)」の記事における「ゴースト機能の導入」の解説
「ゴースト機能」および「道場モード」の導入に携わったSNKの泊久信は、機械学習をおもちゃとして組み込むことで、プレイヤーが機械学習の動作を楽しめると考えたとゲームクリエイターズカンファレンス’19にて話している。 また、黒木はゴースト機能を導入した理由について、「格闘ゲームを遊んだことがない人が格闘ゲームを遊んでみたいと考えた時に、他の格闘ゲームにない要素があればより訴求できるのかなと考えまして、その結果生まれた新機能が「GHOST」になります。(後略)」と、2019年6月の4Gamer.netとのインタビューの中で説明している。 本作以前に機械学習を導入した例としては、『Dota 2』のOpenAI Five(英語版)が存在するが、規模の大きさや方向性などに差異があったため、開発チームはあまり参考にしなかった。 多彩な動きをする相手と対戦したいと考えた彼らは、プレイヤーが画面の状況を判断してキー入力をしていると解釈し、プレイヤーの動作を機械学習に置き換えるという目標を立てた。当初彼らは勝者が生き残る強化学習の導入を検討したが、覇王丸が大斬りを放つだけで勝ってしまうことから、導入は見送られた。 プロトタイプは、ソフトウェアライブラリTensorFlowを用いて作成された。このライブラリにはPythonが使われることが多い一方、本作の開発に用いられたUnreal Engine 4はC++で書かれていた。このため、異なる言語で書かれた二つのシステムは、Transmission Control Protocolによるネットワークを刑有する形で接続された。 本番では、Tensorflowの代わりにEigenというテンプレートライブラリが用いられた。 機械学習の導入にあたり、人間によるプレイデータが必要となり、プランナー2人による1セット50ラウンドの対戦が実施された。しかも、ゲームステートから取得する項目の増加や本体側での技の変更があるたびに、対戦を行う必要があったため、その点に苦労したと泊は前述のイベントの中で振り返っている。また、泊はニューラルネットは微調整が効かない点や、機械学習の規模やゲーム機の性能といた様々な事情から人間の動きに似せることが出来なかったことも明らかにした。
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