ゴースト場のラグランジアン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/26 20:47 UTC 版)
「ファデエフ=ポポフゴースト」の記事における「ゴースト場のラグランジアン」の解説
ゲージ条件 Φ I ( A ) = 0 {\displaystyle \Phi ^{I}(A)=0} を課してゲージ変換の自由度を固定するとき、ゴースト場のラグランジアンは L FP = i b I c a δ a Φ I ( A ) {\displaystyle {\mathcal {L}}_{\text{FP}}=ib^{I}c^{a}\delta ^{a}\Phi ^{I}(A)} で与えられる。ここで δ a {\displaystyle \delta ^{a}} は微小ゲージ変換である。ゴースト場 c a ( x ) {\displaystyle c^{a}(x)} はゲージ群の随伴表現の添え字をもち、ゲージ変換のパラメータを反可換にしたような場である。反ゴースト場 b I ( x ) {\displaystyle b^{I}(x)} は拘束条件と同じ添え字を持ち、ラグランジュの未定乗数を反可換にしたような場である。ゴースト場はゴースト数 +1 をもち、反ゴースト場はゴースト数 -1 をもつ。 ヤン=ミルズ理論でのゴースト場 c a ( x ) , c ¯ a ( x ) {\displaystyle c^{a}(x),{\bar {c}}^{a}(x)} に対するラグランジアンは L ghost = − i ∂ μ c ¯ a D μ c a = − i ∂ μ c ¯ a ( ∂ μ c a + g f a b c A μ b c c ) {\displaystyle {\mathcal {L}}_{\text{ghost}}=-i\partial ^{\mu }{\bar {c}}^{a}{\mathcal {D}}_{\mu }c^{a}=-i\partial ^{\mu }{\bar {c}}^{a}(\partial _{\mu }c^{a}+gf^{abc}A_{\mu }^{b}c^{c})} で与えられる。第一項はスカラー場と類似の運動項であり、第二項はゲージ場との相互作用を表している。g はゲージ場の結合定数、fabc はゲージ群の構造定数である。 ヤン=ミルズ理論の場合、反ゴースト場はゴースト場と同じ随伴表現の添え字をもつ。当初は反ゴースト場はゴースト場の複素共役であると間違って信じられていたが、ゴースト場、反ゴースト場はともに実である。 量子電磁力学のように可換なゲージ群をもつ理論では、第二項の fabc がゼロとなるため、ゴースト場はゲージ場と相互作用せず、ゴースト場の存在が理論に影響を及ぼさない。
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