コーポレート・ガバナンスの目的とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > コーポレート・ガバナンスの目的の意味・解説 

コーポレート・ガバナンスの目的

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 05:15 UTC 版)

コーポレート・ガバナンス」の記事における「コーポレート・ガバナンスの目的」の解説

澤 (2004) は、コーポレート・ガバナンスをめぐる議論を、(1)倫理関わる問題捉えるか、効率性関わる問題捉えるか、(2)広く社会全体多様なステークホルダー)に関わる問題捉えるか、株主債権者といった投資家企業との関係として捉えるかによって分類し次のように整理するコーポレート・ガバナンス問題整理企業と社会問題広義ガバナンス問題企業投資家問題狭義ガバナンス問題倫理問題社会倫理問題正当性問題企業倫理問題正当性問題効率問題社会効率問題国民経済政策問題企業効率問題企業政策問題各国1960年代から問われ始めたのは、公害等の社会倫理問題であったが、次第に、コーポレート・ガバナンス問題として問われる問題は、企業倫理問題企業不祥事防止)、そして企業効率問題企業価値業績の向上)、あるいは両者複合問題へと移ってきたと指摘されている。 コーポレート・ガバナンス必要性について、経済学プリンシパル=エージェント理論エージェンシー理論)は、次のように説明している。すなわち、株式会社においては所有と経営分離しており、株主直接経営行わず経営者経営委任している。このような依頼人プリンシパル)と代理人エージェント)の関係においては両者利害が必ずしも一致しないこと(利害不一致)、両者持っている情報が同じではないこと(情報の非対称性)から、代理人依頼人利益無視して自己の利益追求するというモラル・ハザード発生する可能性がある。例えば、経営者は、経営者としての名声追求して贅沢なオフィス設けたり不必要に多く従業員雇用したり、部下ポスト与えるために非効率的事業投資したりする可能性がある。そこで、このような問題解決するために、依頼人である株主利益守られるよう、代理人である経営者監視規律するための制度として、コーポレート・ガバナンスが必要となる。 もっとも、このようなプリンシパル=エージェント関係は、経営者株主との間だけでなく、経営者債権者従業員顧客取引業者等の様々なステークホルダー利害関係者)との間にも発生するのである。したがってコーポレート・ガバナンスは、狭い意味では、「企業投資家(特に株主)の問題」であるが、広い意味では、これらのステークホルダー全体利益を守るための「企業と社会問題」と捉えることも可能である。

※この「コーポレート・ガバナンスの目的」の解説は、「コーポレート・ガバナンス」の解説の一部です。
「コーポレート・ガバナンスの目的」を含む「コーポレート・ガバナンス」の記事については、「コーポレート・ガバナンス」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「コーポレート・ガバナンスの目的」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コーポレート・ガバナンスの目的」の関連用語

コーポレート・ガバナンスの目的のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コーポレート・ガバナンスの目的のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのコーポレート・ガバナンス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS