コ・スリーピング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/31 18:23 UTC 版)
「コ・スリーピング」も参照 1部屋に1人で寝るひとり寝に対して、 複数の家族成員が1部屋に寝る「同室寝」ことを指す場合にはコ・スリーピング(co-sleeping)と言われる。コ・スリーピングの語は米国の人類学者らが日本で行った家族の就寝形態調査のなかで特に親子同室寝の型として使用された。日本の研究者によって合寝、混寝、共寝、添い寝などと様々に訳された。 日本における就寝形態の実態調査は、1960年代のアメリカの人類学者W.コーディルとD.プラースによる東京、京都、松本における調査から始まる。コーディルは日米の乳児と母親の行動比較、プラースは日本人の生き方研究と、それぞれ別の関心から日本人の生活背景の一つとしての家族の寝方の実態調査を行った。 彼らは、日本の家族323世帯の就寝形態の実態をライフサイクルの視点から分析して、「日本の家族は他に空き部屋があるのにかたまって親子同室に寝るコ・スリーピング(co-sleeping)の習慣があり、日本人は、幼い時は両親と児童・少年期は兄弟と共寝をし、独りで寝ることは、青年期と伴侶と死別した老年期のみである」と指摘した。彼らはさらに「コ・スリーピングの習慣は、家族成員間の情緒パターン(emotional patterns)に関連し、同時に文化間の相違を反映すると思われる」と述べ、日本の家族には欧米のような夫婦関係中心ではなく親子一体性という文化的な規範があると論じた。彼らが1966年『精神医学』(Psychiatry) に発表した「誰が誰と寝るか?日本の都市家族における親子の関わり」 (Who Sleeps by Whom? Parent-Child Involvement in Urban Japanese Families.) という論文は、幼児といえども夫婦の寝室で寝せないアメリカ社会ではかなりの反響を呼んだ。 以後、アメリカ人類学会ではコ・スリーピングの比較文化的調査が盛んに行われるようになった。日本では、コーディルらの論文に触発されて社会学者の森岡清美が家族周期論的関心から寝室配分調査を行っている(1968〜72年、掛川・勝沼、359世帯。
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