コワーキング・スペースとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > コワーキング・スペースの意味・解説 

コワーキング‐スペース【coworking space】

読み方:こわーきんぐすぺーす

独立して働く個人が、椅子ネットワーク設備など実務環境共有しながら仕事を行う場所。月極時間制借り形式のものが多いが、利用者同士積極的な交流共働といったコミュニティー形成促すという点において、従来レンタルオフィスとは異なる。


コワーキング・スペース

コワーキング・スペースとは? 「コワーキング」(CoWorking)とは、独立して働くフリーランス起業家企業所属していても働く場所を自由に選択しながら仕事をするノマドワーカーなどが事務所設備会議スペースなどを共有しそれぞれの仕事を行うワークスタイルのこと。そういった働き方支援する共有オフィス環境およびそれを提供するサービスのことを「コワーキング・スペース」といいますが、近年増加傾向にあり、注目集めてます。

コワーキングスペース

【英】coworking space, coworking spaces

コワーキングスペースとは、「コワーキング」と呼ばれる共同利用型の仕事環境実現するために用いられる場所のことである。

コワーキングは、同じ組織職務従事しているわけではない人々が同じ空間集まってそれぞれ個別仕事進めるといった働き方を指す。在宅作業するフリーランスなどは孤独感倦怠感襲われやすいが、仕事取り組む他の者と居合わせることにより、むしろ互いに刺激し合って作業進めることなどが期待できる

コワーキング2000年代半ば米国中心として広がりつつある。日本でもコワーキングスペースを提供する事業いくつか登場している。

情報と社会のほかの用語一覧
ビジネス:  BYOX  ホームオフィス  コワーキング  コワーキングスペース  コラボレーションモデル  モバイルオフィス  モバイルバンキング

コワーキング

(コワーキング・スペース から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/19 03:42 UTC 版)

インドネシアのコワーキングスペース

コワーキング(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。一般的なオフィス環境とは異なり、コワーキングを行う人々は同一の団体には雇われていないことが多い[1]。通常、在宅勤務を行う専門職従事者や起業家フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多い[2]

コワーキングは独立して働きつつも価値観を共有する参加者同士のグループ内で社交や懇親が図れる働き方であり[3]、コスト削減や利便性といったメリットだけではなく、才能ある他の分野の人たちと刺激し合い、仕事上での相乗効果が期待できるという面も持つ[4][5][6]

概要

コワーキングが行われる環境(「コワーキングスペース」と呼ばれることもある)はシェアオフィスレンタルオフィスとは異なり、実務を行う場所が個室ではなく図書館のようなオープンスペースとなっている。また、すべてのスペースを共有したり、イベントを行ったりといった試みを通して参加者同士のコミュニティ育成を重要視する傾向が強いことも大きな違いのひとつである。一部のコワーキングスペース[7]は、固定した仕事場に留まらないノマド的なIT系起業家が、カフェや小規模/自宅オフィスでの孤立した仕事環境の代わりとなる場所を求める動きと共に発展した[8][9][10]。2007年に行われた調査で、多くの非雇用者が在宅勤務を行うことによって孤独を感じたり、対人交流がなくなってしまうことに不安を感じていることが分かった。また、およそ3分の1から半数の民間・行政労働者は、自宅での仕事を望んでいないと回答した[11]コワーキングは、多くのフリーランスの人々が在宅勤務において直面する孤立感という問題を解決すると同時に、家庭で働くことによる集中力低下となる材料を回避することもできる[12]。また承認欲求を高いレベルで充足する場にもなっている[13]

ビジネス促進施設、インキュベーション施設、ビジネスエグゼクティブ向けオフィスなどはコワーキングのモデルには当てはまらないように見受けられる。これらにおいては、社交性、コラボレーション的要素、形式張らないインフォーマルさ[11]といった面がなく、利益よりも[14]コミュニティに焦点を置いた協同組合的な管理形態ではないのがその違いであるといえる[15]。海外では、コワーキングに参加者は BarCamp の参加者でもあったり[16]、その他のオープンソーステクノロジーに関連した活動に関わっていることが多い[11][17][18]

コワーキングスペースは現在、世界中の都市にオープンしている。

コワーキングの元々の大きな目的は物理的な場所の確保だけではなく、コワーキングコミュニティをまず確立することにもある。コワーキングの利点はコワーキングスペース以外でも体験することができ、スペースをオープンする前の段階でコワーキングコミュニティを築くことからスタートしていくことが勧められている[19]。しかし、新たにコミュニティを確立するのではなく、立ち上げの際にイベントを行ってターゲットグループを惹きつけることによって既存コミュニティの一部を取り込むコワーキングスペースもある[20]

コワーキングコミュニティの多くは、個人宅やカフェ、ギャラリー、多目的スペースなどでカジュアルコワーキングイベント(Jelly [21][22] など)を行うことによって形成されている。これらのイベントの間に参加者はコワーキングの利点を経験し、お互いを知ることができる。これには、後にコワーキングスペースに加入する際の心理的障壁を下げる効果がある。

参加者層

2011年1月にアメリカで発表された調査結果によると、コワーカーの多くは20代後半〜30代後半で、平均年齢は34歳。3分の2が男性で、5人に4人が大学を卒業したのちに就職している。大半がクリエイティブ業界またはニューメディア関連の仕事を行っており、フリーランスとして働いている者が半数よりやや多い割合を占めている[1]。しかし、特に給与所得者(サラリーマン)の割合が35%を占める米国において大企業のコワーキングへの試みが増えるに従い、サラリーマン層の割合も増えてきている。

履歴

「コワーキング」という用語は1999年にBernie DeKovenが初めて使用[23]し、Brad Neubergが、2000年代初期から「9 to 5 group」と呼んでいた物理的な空間のことを表現するために2005年から使い始めた[24]

Neuberg氏はサンフランシスコに「Hat Factory」というコワーキングスペースを作った。これは、IT系の3名が入居する住居とオフィスが一体化したロフトで、日中は他者にもオープンになっていた。彼は、最初の「ワーク・オンリー」コワーキングスペースであり、世界的な広がりを生み出すきっかけとなった「Citizen Space(シチズンスペース)」の共同創始者の一人でもあった。現在では6つの大陸にまたがって、世界中に400箇所以上のコワーキングスペースが存在している[25][26]

サンフランシスコは依然としてコワーキングコミュニティ内において大きな存在感を持っており、pariSoma イノベーションロフト、HubSoMa、Citizen Space などを含む、現在増加中のコワーキングスペースのホームベースでもある[27]。サンフランシスコを拠点とするコンサルティング会社 Citizen Agency は、Citizen Space というスペースをオープンしてコワーキングを積極的に促進してきた。ここではデスクスペースを賃貸しつつ、共有エリアでは無料のドロップイン(立ち寄り参加)ができる[28]。また、コワーキングはその他の都市部にも広がっている。例えば現在はオレゴン州ポートランドにも、盛況なコワーキングスペースが多数ある[29]

日本国内でのコワーキングの始まりに関しては諸説あるが、「カフーツ」が2010年5月に国内で最初にコワーキングという名称を使い、欧米の先端事例を取り入れた形でサービスを開始している[30]

脚注

  1. ^ a b Foertsch, Carsten (2011-01-13), The Coworker's Profile http://www.deskmag.com/en/the-coworkers-global-coworking-survey-168
  2. ^ Butler, Kiera (2008-01-01), “Works Well With Others”, Mother Jones (Mother Jones), http://www.motherjones.com/commentary/columns/2008/01/works-well-with-others.html 
  3. ^ DeBare, Ilana (2008-02-19), “Shared work spaces a wave of the future”, San Francisco Chronicle (サンフランシスコ・クロニクル), http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2008/02/19/MN7CV2JFE.DTL 
  4. ^ Franchise, Times (2009-09-24), “私は個人経営のフリーランサー、でも職場には大勢の「友人」”, フランチャイズタイムズ, http://www.fctimes.jp/current/y09m09/d24_2.html 
  5. ^ Miller, Kerry (2007-02-26), “Where the Coffee Shop Meets the Cubicle”, Business Week (ビジネスウィーク), http://www.businessweek.com/smallbiz/content/feb2007/sb20070226_761145.htm 
  6. ^ Farby, Julie (2007-03-13), “The Hive Hopes To Revolutionize Traditional Office Space By Creating Coworking Space”, All Headline News, http://www.allheadlinenews.com/articles/7006731137 
  7. ^ 10 of the best co-working spaces in the UK http://www.creativeboom.co.uk/boom-basics/10-of-the-best-co-working-spaces-in-the-uk/ アーカイブ 2010年4月24日 - ウェイバックマシン
  8. ^ Fost, Dan (2007-03-11), “WHERE NEO-NOMADS' IDEAS PERCOLATE: New 'bedouins' transform a laptop, cell phone and coffeehouse into their office”, San Francisco Chronicle (サンフランシスコ・クロニクル), http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/c/a/2007/03/11/MNGKKOCBA645.DTL 
  9. ^ Von Bergen, Jane (2007-08-19), “A Step Up From Working In PJ's”, Philadelphia Inquirer, http://articles.philly.com/2007-08-19/business/24995410_1_trade-ideas-cat-work-at-home 
  10. ^ Williamson, Kate (2007-10-02), “Shared offices growing in S.F., Peninsula”, San Francisco Examiner (サンフランシスコ・エグザミナー), http://www.examiner.com/a-968158~Shared_offices_growing_in_S_F___Peninsula.html 
  11. ^ a b c Reed, Brad (2007-10-23), “Co-working: the ultimate in teleworking flexibility”, Network World, オリジナルの2007年10月25日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20071025085729/http://www.networkworld.com/news/2007/102307-coworking.html 2011年7月19日閲覧。 
  12. ^ LeClaire, Jennifer. Collective Turf Coworking Set to Open in Urbana. アーカイブ 2011年7月7日 - ウェイバックマシン Office Space News. April 13th, 2009.
  13. ^ 太田肇(2022)『日本人の承認欲求:テレワークがさらした深層』新潮社。
  14. ^ Fost, Dan (2008-02-20), “They’re Working on Their Own, Just Side by Side”, New York Times (The New York Times), http://www.nytimes.com/2008/02/20/business/businessspecial2/20cowork.html?_r=1&ex=1361250000&en=dbd589ebb73df147&ei=5090&partner=rssuserland&emc=rss&oref=slogin 
  15. ^ Fost, Dan (2008-02-20), “Inspiration Strikes Only a Desk Away”, New York Times (The New York Times), http://www.nytimes.com/2008/02/20/business/businessspecial2/20ideas.html?ref=businessspecial2 
  16. ^ Clark, Jessica (2007-10-01), “Coworkers of the World, Unite!”, American Prospect (The American Prospect), オリジナルの2011年8月10日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110810200854/http://prospect.org/cs/articles?article=coworkers_of_the_world_unite 2011年7月19日閲覧。 
  17. ^ Horowitz, Etan (2007-09-27), “Co-working can solve non-traditional office issues”, Orlando Sentinel (Orlando Sentinel), https://web.archive.org/web/20071011174117/http://www.orlandosentinel.com/business/orl-cowork2707sep27,0,4868019.story?coll=orl_tab03_layout (インターネット・アーカイブ)
  18. ^ Berve, Anette (2008-04-25), “In Search of Colleagues” (– Scholar search), The Argentimes, オリジナルの2008年8月28日時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20080828070204/http://www.theargentimes.com/downloads/docs/the_argentimes_36.pdf 2011年7月19日閲覧。 
  19. ^ How to start a Coworking Space http://coworking.pbworks.com/Space-Catalyst:-Getting-Started
  20. ^ How successful Coworking Spaces create their business http://www.deskmag.com/en/how-a-coworking-space-succeeds
  21. ^ Work at Jelly http://www.workatjelly.com
  22. ^ TheWorks Coworking and Jellies http://www.theworks.cz/ アーカイブ 2011年7月18日 - ウェイバックマシン
  23. ^ www.coworking.com via the Wayback Machine – earliest archived use of the term coworking
  24. ^ Alas, Joel (2010-07-12), “"9 to 5 Group" - Coworking's first name”, deskmag, http://www.deskmag.com/en/9-to-5-group-coworking-first-name 
  25. ^ Coworking Directory http://wiki.coworking.com/Directory
  26. ^ “Hub Culture Global Coworking Spaces”. https://www.huffpost.com/entry/global-tele-offices-an-an_b_184983 |
  27. ^ Tom Abate, "Shared work spaces new resource for solo worker", "SF Chronicle", June 4, 2010
  28. ^ Dan Fost, "'Coworking,' a cooperative for the modern age", New York Times, Feb. 21, 2008.
  29. ^ McEwan, Bob (2009年4月11日). “Co-working: a room not of their own”. The Oregonian. http://www.oregonlive.com/business/index.ssf/2009/04/coworking_a_room_not_of_their.html 
  30. ^ つながりの仕事術~「コワーキング」を始めよう(洋泉社新書y)  ISBN 978-4862489166

関連項目

外部リンク

コワーキング』 - コトバンク


コワーキングスペース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 16:19 UTC 版)

妙高高原駅」の記事における「コワーキングスペース」の解説

2020年令和2年2月それまで倉庫として使われていた駅舎内スペースリノベーションする形でコワーキングスペースがオープンした

※この「コワーキングスペース」の解説は、「妙高高原駅」の解説の一部です。
「コワーキングスペース」を含む「妙高高原駅」の記事については、「妙高高原駅」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「コワーキング・スペース」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コワーキング・スペース」の関連用語

コワーキング・スペースのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コワーキング・スペースのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日本の人事部日本の人事部
Copyright © 2004- 2025 i.Q. Co., Ltd. All Rights Reserved.
IT用語辞典バイナリIT用語辞典バイナリ
Copyright © 2005-2025 Weblio 辞書 IT用語辞典バイナリさくいん。 この記事は、IT用語辞典バイナリの【コワーキングスペース】の記事を利用しております。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコワーキング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの妙高高原駅 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS