クマゼミとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 14:31 UTC 版)
ミンミンゼミとクマゼミは、よく棲み分けをしていると言われる。ただ、両種は異なる種であり、生態に違いのあることは当然であり、単に人間が体感的にそれらの違いを棲み分けと解釈しているのである。 例えば、セミの出現する時期、好みとする樹木・林の明るさ・樹木の幹の太さ、鳴いている時間帯などは種によって様々である。このような違いがある一方で、セミの生息する密度が増すことで、生息分布が拡がり、生息域や鳴いている時期が重なることもある。実際、ミンミンゼミとクマゼミにおいても同時期に出現する地域があり、高知県の桂浜、愛知県の渥美半島、伊豆半島など、各地にある。これらの地域では、ミンミンゼミとクマゼミは同時に鳴いている時期がある。このような同時に鳴いている時期があることは、一方がもう一方を避けたり、追いやったりする状況にはない、すなわちミンミンゼミとクマゼミには明確な棲み分けはみられないことを示唆している。 東京都の沿岸部においてもクマゼミが徐々に定着してきており、クマゼミの増加とともにミンミンゼミの出現する時期と重なることで、やがて同時に鳴く時期が生じるようになるとみられる。 以下に、ミンミンゼミとクマゼミに関する様々な説を挙げておく。 ■ミンミンゼミとクマゼミの鳴き声は、人間の耳で聞く限りは全く違って聞こえるが、この2種のセミの鳴き声のベースとなる音はほぼ同じであり、その音をゆっくりと再生すればミンミンゼミの鳴き声に、早く再生すればクマゼミの鳴き声となる。このように両種のセミの鳴き声には共通点があるため、クマゼミとミンミンゼミは互いに棲み分けをしていると言われる。 ■クマゼミがほぼ終息した頃にミンミンゼミの発生が始まるという説がある。西日本の両種が生息している地域で、そのような傾向がある。特に、広島県東広島市の市街地では明確に棲み分けがなされているように見受けられる。 ■ミンミンゼミとクマゼミはともに午前中によく鳴く種類であり、このことが両種のセミで時期的な棲み分けを必要としているという説がある。ただ、ミンミンゼミは一日中鳴いているセミであり、両種が棲み分けを要することには根拠が薄い。
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クマゼミとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 14:40 UTC 版)
上述のように、都市部においては「湿った所にアブラゼミ、乾いたところにクマゼミがいる」との説が唱えられている。これに対し京都成安高等学校教諭・米沢信道と生物部の生徒は10年間の調査を行い「アブラゼミ、クマゼミはそれぞれ好む木、嫌いな木があり(樹種嗜好性)乾湿によってきまるものではない」と解明された。(下記外部リンク「米蝉ナール」参照) ただし、この研究結果はあくまで京都市街地のみの研究結果にすぎず、大阪市内では上述のとおり異なった結果が出ていることに注意を要する。
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