ガロア理論
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ガロア理論(ガロアりろん、Galois theory)は、代数方程式や体の構造を "ガロア群" と呼ばれる群を用いて記述する理論。1830年代のエヴァリスト・ガロアによる代数方程式の冪根による可解性などの研究が由来。ガロアは当時、まだ確立されていなかった群や体の考えを方程式の研究に用いていた。
- ^ Galois, Évariste (1846). “Œuvres mathématiques d'Évariste Galois”. Journal de mathématiques pures et appliquées (Tome XI): 381-444. ISSN 0021-7824 .
- ^ a b 佐武一郎「解説「ガロア理論」について」、アルティン (2010) p. 215
- ^ Scharlau (1981)
- ^ アルティン (1974)
- ^ アルティン (2010)
- 1 ガロア理論とは
- 2 ガロア理論の概要
- 3 歴史
- 4 脚注
- 5 外部リンク
ガロワ理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/25 08:44 UTC 版)
詳細は「アーベル–ルフィニの定理」を参照 有限アーベル群はガロワ理論において特別な役割を持つ。アーベル–ルフィニの定理の帰結として、可換なガロワ群を持つ多項式は冪根によって解ける(逆はやや複雑で、ガロワ群が可解群となるのにアーベルであることは必要でない)。そのような多項式の分解体はアーベル拡大、つまり拡大のガロワ群がアーベルである。この結果は、アーベル拡大とそのガロワ群に注目するものである。これは19世紀の数学者たちがクロネッカー–ヴェーバーの定理の証明に熱心であった理由である。 ガロワやクロネッカーとヴェーバーの発見よりもずっと以前に、ガウスは特定の場合「正17角形の定木とコンパスを用いた作図を求めるための、指数17の円分方程式」を扱ったが、この多項式のガロワ群がアーベルであることはこの方法の本質的な要素であった。
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ガロワ理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 07:21 UTC 版)
ガロワ理論は方程式の根を置換する数体の変換と関係する。変数 x の n 次の多項式方程式を考えよう。係数はある基礎体(英語版)からとられる。例えば、実数体とか、有理数体、7 を法とした整数、など。この多項式の値が 0 になるような x はあるかもしれないしないかもしれない。もし存在すれば、それは根と呼ばれる。多項式が x2 + 1 で体が実数体ならば、多項式は根を持たない、なぜならば x をどのようにとっても多項式の値は 1 以上になるからである。しかしながら、体が拡大されると、多項式は根を持ち得、十分に拡大されれば、必ず次数に等しい個数の根を持つ。前の例を続ければ、体が複素数体に拡大されれば、多項式は 2 つの根 i と −i を得る。ここに i は虚数単位、すなわち、i 2 = −1 を満たす数である。より一般に、多項式が根に分解するような拡大体を多項式の分解体と呼ぶ。 多項式のガロワ群は分解体の変換であって基礎体と多項式の根を保つようなものすべてからなる集合である。(数学用語ではこれらの変換は自己同型と呼ばれる。)x2 + 1 のガロワ群は2つの元からなる。すべての複素数を自分自身に送る恒等変換と、i を −i に送る複素共役写像である。ガロワ群は基礎体を変えないから、多項式の係数は変わらないままであり、したがってすべての根の集合も変わらないままである。しかしながら各根が別の根に動くことは出来、したがって変換は n 個の根のその中での入れ替わりを決定する。ガロワ理論の重要性はガロワ理論の基本定理から生ずる。これは基礎体と分解体の間にある体たちはガロワ群の部分群たちと一対一に対応しているというものである。 1918年、ネーターは逆ガロワ問題(英語版)に関する影響力の大きい論文を出版した。与えられた体とその拡大の変換のガロワ群を決定する代わりに、ネーターは、体と群が与えられたとき、その体の拡大であって与えられた群をガロワ群として持つものを見つけることが常に可能かどうかを問うた。彼女はこれを「ネーターの問題」に帰着した。これは体 k(x1, ... , xn) に作用する置換群 Sn の部分群 G の固定体が常に体 k の純超越拡大になるかを問うものである。(彼女は1913年の論文で最初にこの問題を述べた。彼女はその問題を同僚のフィッシャー(英語版)によるものとしている。)彼女はこれが n = 2, 3, 4 に対し正しいことを示した。1969年、R. G. Swan(英語版) は n = 47 と G が位数 47 の巡回群のときにネーターの問題の反例を見つけた(この群は他の方法で有理数体上のガロワ群として実現できるのであるが)。逆ガロワ問題は今なお解かれていない。
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