ガス脱湿プロセスとは? わかりやすく解説

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ガス脱湿プロセス

読み方がすだっしつぷろせす
【英】: dehydration of natural gas

ガス中の水分除去するプロセス
坑井から産出する天然ガス中に含まれる水分は、処理・輸送中に水蒸気露点以下に冷えると遊離水となり、温度圧力条件によってガスハイドレート生成する。これは固体であるので、配管閉塞へいそく}などのトラブル原因となる。また遊離水配管の低部にたまり、脈動流による振動などトラブル要因となる。これらを防止するために脱水処理をする必要がある一般にパイプライン送り込まれる天然ガス中の水分は、 6.5 ポンド百万立方フィート( 0.11g / ノルマル立方メートル)以下に処理される。また天然ガス液設備コンデンセート低温回収設備など0 ℃以下でガス処理する設備では、ガス中に微量水分存在するだけでも長期間の運転では、蓄積したによるトラブル起きるため、前処理原料ガス通常 1ppm(百万分の 1 )以下までほぼ完全に脱湿す必要がある。脱湿プロセスとしては以下が用いられている。
(1) 溶液吸収法大量ガス通常の輸送用脱湿仕様まで処理する場合経済的であるので一般に用いられるプロセスである。吸収液としては、モノエチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコールDEG)、トリエチレングリコールTEG)などが用いられているが、このうち蒸発損失少なTEG が最も広く用いられている。プロセスフロー例は以下のとおりである(図参照)。ガス脱水塔(吸収塔)で吸収液と向流接触し脱水される。水分吸収した吸収液は放散塔(再生塔)で減圧加熱され水分放散した後、脱水塔へ循環される。最近では、加温際しタービン廃熱利用するなど省エネルギー化図られている。
(2) 固体吸収法少量ガス処理する場合用いられ塩化カルシウム吸収剤として用いる。
(3) 固体吸着法:少量ガス処理する場合や、脱湿仕様厳し場合用いられ、1ppm 以下まで脱湿可能である。吸着剤としては、モレキュラーシーブアルミナシリカゲルシリカアルミナなどが用いられ通常 2 基以上の吸着塔交互に吸着減圧加熱による再生サイクル繰り返す
(4) 冷却分離高圧原料ガス断熱膨張による自己冷却や、プロパンなどの冷媒による冷却によりガス中の水分凝縮分離する脱水プロセスである。低温部でのガスハイドレート生成防止するため、グリコールメタノール注入するものや、薬品注入せず生成したガスハイドレート加熱分離するものがある。

図 ガス脱湿プロセス
江波戸 邦彦2006 年 3 月


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