カレーとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 03:27 UTC 版)
日本では、カレーライスに添えられる定番の漬物である。むしろ、カレーライス以外と組み合わせて食べる機会が少ない、特殊な位置付けにある漬物といえる。新進は、2009年(平成21年)より毎年テーマを設定して、福神漬を使ったアイディアレシピを募集している。 1902年(明治35年)頃に日本郵船の欧州航路客船で、一等船客にカレーライスを供する際に添えられたのが最初であり、それが日本中に広まったとされる。(なお、二・三等客にはたくあんが添え物として提供されていた。)当初、カレーライスにはインドカレーの添え物であるチャツネが添えられていたが、ある時チャツネを切らしてしまい、コック用の福神漬で代用したのだとされる。本来の福神漬は無着色であったが、第二次世界大戦後、チャツネに倣って赤くなったという説がある。カーツさとうは、赤いチャツネが珍しいことからこの説に疑問を呈し、ご飯に映える色として赤が選ばれた、という自説を披露した。 庶民にカレーと福神漬の組み合わせを広めたのは、帝国ホテル、資生堂パーラー、梅田阪急百貨店などが有力な説となっている。 市販品では、人工着色料などを使って真っ赤な色をつけられたものが多かったが、その後開発された「自己主張し過ぎない」オレンジ色をしたカレー用製品が好評を博し、色をつけない茶色の福神漬も支持を得るようになった。「カレー専用」として初めて売り出したのは、やまう株式会社で、1969年(昭和44年)のことである。新進では、従来からの赤く着色した福神漬と、カレー用福神漬を併売しており、関東地方ではカレー用の方が売れるが、北海道・東北地方では赤い福神漬の方が売り上げが良いという。メーカー側からすれば、JAS規格の変更により合成着色料の使用が禁止されたため、コストのかかる天然着色料で赤くするよりも、黄色系の方が安く済むという事情がある。 海軍カレーなどのように、福神漬の汁を隠し味に使うこともある。鳥取県立倉吉農業高等学校は2021年(令和3年)に「カレー味の福神漬」を開発し、瓶詰にして200個限定で販売した。福神漬の入ったカレーパンを生産するメーカーもある。
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