カメラ回転方式(フィルム式)
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「パノラマカメラ」の記事における「カメラ回転方式(フィルム式)」の解説
1857年10月6日にイギリスのM・ガレラ(M. Garella )が360度の画角を持つパノラマカメラの特許を取っているが、これは考案だけで実用化には至らなかった。 1862年9月5日にジョン・R・ジョンソンとジョン・A・ハリソンが特許を取得した。これに基づいて後に「パンタスコーピック・カメラ」が発売された。 1904年にアメリカのウィリアム・J・ジョンストンがアメリカ特許を取得、すぐにロチェスター・パノラミック・カメラ(Rochester Panoramic Camera )がサーカット(Cirkut )カメラを開発し、業務用パノラマカメラの定番となった。1905年にはロチェスター・パノラミック・カメラはセンチュリー・カメラに合併され、センチュリー・カメラは1907年にコダックに合併され、1905年からはフォルマー&シュウィング部門での生産となった。現在でもコダックはサーカットカメラ専用のフィルムを生産していて、現役のカメラとして使われている。 同様の機構を持ち、より小型で個人向けのカメラとしては、スイスSeitz社のRoundShotがある。これは135フィルムや120フィルムを使っている。 構造は、普通のカメラが水平に360度回転するものと言えるが、フィルムの前に縦のスリットがあり、レンズの焦点距離と回転角度に応じてフィルムが巻き取られる、という点が特殊である。フィルム面が円筒状になるため画像が歪むが、そのまま見られる。 画質は、5インチ幅のフィルムを使った場合、横幅が30インチにもなり、非常に良い。 画角は、円周魚眼レンズを使った場合天頂まで撮れるが、下方向に三脚が写り込むのは避けられない。また、フィルムの前にスリットがあることから、暗い環境では非常に長い撮影時間を要する。したがって、動く物体が変形したり、ぶれたり、消えるという問題がある。 これの変形としてカメラを中心からずらし、レンズを中心に向け、中心点には被写体として景色の代わりに小さなものを置く方法がある。たとえば人間の顔を被写体とすれば、写真は顔の皮を剥いて広げたようになる。つまり360度すべてを同時に見ることができる。ただし、被写体には凹凸があるので、焦点を合わせるのが困難になる。
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カメラ回転方式(電子式)
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「パノラマカメラ」の記事における「カメラ回転方式(電子式)」の解説
上記のカメラ回転方式のパノラマカメラのフィルムをCCD等の撮像素子に置き換えたもので、アメリカPanoscan社のPanoscan等がある。 機械的な構造は、平面的な撮像素子を内蔵した通常のデジタルカメラより、直線的な撮像素子を内蔵したスキャナに近い。 その他の特徴は、フィルム式のカメラ回転方式に準ずる。画質はよいが、暗い環境で撮影できないのが難点である。
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