オスカルへの慕情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/21 09:27 UTC 版)
「アンドレ・グランディエ」の記事における「オスカルへの慕情」の解説
青年期になるとオスカルを女性として愛する気持ちが募るが、身分の違いの恋であり叶わぬ想いであると自戒していた。オスカルがフェルゼンに恋心を抱いていることを知ると内心では動揺を隠せず狂おしい気持ちに苦悩した。どんなに低くてもいいから貴族の身分が欲しいとのた打ち回るが、長い歴史を誇る大貴族であるジャルジェ家の令嬢であるオスカル相手では、ただ貴族になっただけでは結婚など不可能だった。貴族でも名ばかりで平民よりも貧しい生活を送る貴族もおり、その1人であるアラン・ド・ソワソンの怒りを買ったこともある。 また、ジェローデルがオスカルへの求婚者として屋敷の出入りをレニエに許されたことで絶望に襲われて苦しみ、平民という身分と使用人としての立場では反論・反撃をすることなど許されないが、オスカルの有力な夫候補であるジェローデルに情けをかけられてショコラを浴びせるという無礼な態度を取った。更には、オスカルを毒殺して無理心中を図ろうとしたこともある。その時は、直前で前述の落馬事件の日の彼女のために命を賭けるという誓いを思い出し我に返り、毒が入ったワイングラスをたたき落として未遂に終わった。 この心中未遂の他に、恋の狂気に心乱れた上に身分違いの抑圧と絶望が原因で力ずくでオスカルを我が物にしようとするなど暴挙に出た。しかし、そのような様々な苦難を経て、壮年期には物静かな包容力も備えた大人の男性として、オスカルの影としての色を一層濃くした。 左眼を失明した後、その分だけ負担が大きくなった右眼の視力も徐々に失われてゆく。そのことはオスカルを守り、傍にいるために隠していた。しかし、祖母とフランス衛兵隊のアランに気づかれてしまう。そして、パリ出動の直前には完全に視力を失い、アランをはじめとする衛兵隊1班の衛兵たちに止められるが、オスカルに隠し通し出動する意志は強く、衛兵たちはアンドレのサポートをすると決めた。こうして盲目のままオスカルと共にパリに出動した。 フランス革命のさなかにオスカルを庇い、弾丸によって落命。34歳没。
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