エリック・ギル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/11 03:13 UTC 版)
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エリック・ギル Eric GIll |
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自画像
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生誕 | 1882年2月22日 イングランド、ブライトン |
死没 | 1940年11月17日 イングランド、ミドルセックス |
エリック・ギル(Eric GIll, Arthur Eric Rowton Gill, 1882年2月22日 - 1940年11月17日)はイギリスの彫刻家、書体デザイナー、エッチングの版画家。イギリスにおけるアーツ・アンド・クラフツ運動に参画した。
略歴
エリック・ギルは1882年、旧サセックス州(現イースト・サセックス州)のブライトンに生まれ、その後一家はチチェスターへと引っ越した。エリックはチチェスター工芸大学(Chichester Technical and Art School)で学び、1900年に教会建築の専門家であるW.D.カロエ(W.D. Caroe)の下で建築を学ぶためロンドンへと移り住んだ。そこでの研修に嫌気がさした彼は、ウェストミンスター技術研究所(Westminster Technical Institute)で石積みの夜間クラスを、また、ロンドン地下鉄の書体開発者エドワード・ジョンストン(Edward Johnston)がいた中央美術工芸学校(Central School of Arts and Crafs)でカリグラフィーのクラスを受講するようになる。
1904年にエセル・ヘスター・ムーア(1878年 - 1961年)と結婚し、1907年に一家はサセックスのディッチリングにあるSopersと呼ばれた家に移り住んだ。ディッチリングはその後、ギルに影響を受けたアーティスト達のコミュニティーの中心地となる。ギルはその地で彫刻の制作を始めた。そして「母と子(Mother and Child, 1912年)」という作品で初成功を収めた。
1913年には村から北へ2キロほど離れたディッチリング・コモン(Ditchling Common)のホプキンズ・クラック(Hopkin's Crack)という場所に引っ越した。1914年、ロンドンのウェストミンスター大聖堂の十字架の道行(キリストが十字架を背負い歩く場面)の彫刻を制作した。同年、彼はタイポグラファーのスタンリー・モリスンと出会った。戦後はヒラリー・ペプラー(Hilary Pepler)やデスモンド・チュート(Desmond Chute)と共に、The Guild of St. Joseph and St. Dominicをディッチリングに設立した。生徒の中には、ギルの娘ペトラと付き合うことになるデビッド・ジョーンズ(David Jones)の姿もあった。
1924年、彼はウェールズのCapel-y-ffinに移住し、新たにワークショップを立ち上げ、ジョーンズら弟子達もこれに従った。1925年にローマ時代の碑文の大文字をベースとしたPerpetua(パーペチュア)という書体を、モノタイプ社で働いていたモリスンのためにデザインした。1927年から1930年にGill Sansという書体を続けて制作した。この書体はロンドン地下鉄のためにジョンストンがデザインした書体(Johnston)をベースに作られた。1930年から1931年の間に、ギルはジョアンナという書体をデザインし、自身の著書An Essay on Typographyの文字組に使用した。
ギルは、Capel-y-ffinは場所の雰囲気が理想に合わず、多数の顧客を抱えるロンドンから遠すぎるという理由ですぐに飽きてしまった。1928年、バッキンガムシャーに程近いPigottsに移住し、印刷所とレタリングのワークショップを設立した。後に有名な彫刻家となるデヴィッド・キンダスリー(David Kindersley)や、甥で彼も彫刻家・文字彫像家として名を残すジョン・スケルトン(John Skelton, 1923年 - 1999年)など、多くの徒弟を抱えた。他にも、ローリー・クリッブ(Laurie Cribb)、ドナルド・ポッター(Donald Potter)らが弟子入りしていた。[1]また、ギルの娘ペトラと結婚したデニス・テゲットマイアー(Denis Tegetmeier)や、ジョアンナという別の娘と結婚したルネ・ヘイグ(Rene Hague)らが家族の一員となった。1932年、ギルはロンドンのBBC放送会館のために「Prospero and Ariel」という彫刻群を制作した。1937年には郵政省ために切手をデザインし、1938年にジュネーヴの国際連盟のために「The Creation of Adam」という3つの浅浮き彫り彫刻を手掛けた。この時期に王立芸術協会によりRoyal Designer for Industry(通称RDI)という栄誉ある賞が設立され、この賞のために新設されたFaculty of Royal Designers for Industryの設立メンバーとなった。
エリック・ギルはとても信心深く、アートと宗教の関係に関するエッセイを多数出版した。その一方でエロティックな版画も数多く制作した[2]。ギルは1940年、ミドルセックス州のオックスブリッジにあるヘアフィールド病院で息を引き取った。Pigotts近郊にある彼の墓石には、彼について「彫刻師(stone carver)」とだけ説明されている。[3]
エリック・ギルの弟子たち
ギルの弟子にはウィリアム・ブローイ(William Bloye)、ドン・ポッター(Don Potter)、デヴィッド・キンダスリー(David Kindersley)等がある。
書体
エリック・ギルの書体には下記がある
- Gill Sans(ギル・サン、1927年 - 1930年、ギルの最も有名な書体であり現在でもよく利用される)
- Perpetua(パーペチュア、1926年)
- Golden Cockerel Press Type(ゴールデン・コッカレル・プレス・タイプ、イギリスのゴールデン・コッカレル・プレス社のための書体, 1926年)
- Solus(ソウルス、1929年)
- Joanna(ジョアンナ、 1930年 - 1931年、Granjon〈グランジョン〉を基にした書体,)
- Aries(エリアス、1932年)
- Floriated Capitals(フロリエイテッド・キャピタルス、1932年)
- Bunyan(バニヤン、1934年)
- Jubilee(ジュビリー、Cunard〈キュナード〉とも、1934年)
ヤン・チヒョルトは1947年から1949年の間ペンギン・ブックスのリデザインを担当し、最終的にはPenguin Composition Rulesを設立した。その中でGill Sansが本の題名およびペリカンシリーズのブランドロゴに使用されている。1990年代にはBBCがGill Sansをコーポレイト・タイプ(wordmarkと表記)に指定し、放送時の表示などに多用している。
私生活
ギルは敬虔なローマカトリック教徒であったが、自身の子供に性的虐待をしており、実の姉妹と近親相姦の関係を持ち、また飼い犬を獣姦していたとも伝えられている。彼の日記には性行為の詳細が記されていた。ギルのこうした側面は、フィオナ・マッカーシー(Fiona MacCarthy)が1989年に伝記を出版するまで、ほとんど知られていない事実であった[4]。ロバート・スペート(Robert Speaight)が先に出版した伝記には、このような記述は一切無かった。
世間からの評価
ギルの私生活が明らかになるにつれ、彼個人と芸術上の功績は見直されることとなった。最近書かれた人名辞典には「最初の衝撃(中略)ギルの不貞や近親相姦や犬との性行為などの歴史が1980年代後半には周知の事実となった。結果的に彼の人生と作品は再評価されることとなり、芸術家としての評価は高まった。ギルは、20世紀の奇妙で個性的な論争家の一人であり、短気で、物質主義社会の中で神の必要性を説いて注目を浴び、平凡な世代の活性剤となった、として話題をさらった。」とまとめられている[5]。
作品
参考文献
- Gill, Eric: A Holy Tradition of Working: An Anthology of Writings, Golgonooza Press, 1983, ISBN 0-903880-30-X
- Gill, Eric: An Essay on Typography, 1931, ISBN 0-87923-762-7, ISBN 0-87923-950-6 (reprints)
- Gill, Eric: Christianity and Art, 1927
- Gill, Eric: Art, 1934
- Gill, Eric: Work and Property, 1937
- Gill, Eric: Work and Culture, 1938
- Gill, Eric: Autobiography: Quod Ore Sumpsimus, Jonathan Cape, 1940 (published posthumously) ISBN 1-870495-13-6
英語のリファレンス
- Attwater, Donald. A Cell of Good Living. London : G. Chapman, 1969. ISBN 0-225-48865-5
- Bringhurst, Robert. The Elements of Typographic Style. Hartley & Marks, 1992. ISBN 0-88179-033-8.
- Collins, Judith. Eric Gill: The Sculpture. Woodstock, NY : Overlook Press, 1998. ISBN 0-87951-830-8
- Corey, Steven and MacKenzie, Julia (eds). Eric Gill: A Bibliography. St Paul's Bibliographies, 1991. ISBN 0-906795-53-2
- Dodd, Robin. From Gutenberg to OpenType. Hartley & Marks, 2006. ISBN 0-88179-210-1
- Fiedl, Frederich, Nicholas Ott and Bernard Stein. Typography: An Encyclopedic Survey of Type Design and Techniques Through History. Black Dog & Leventhal: 1998. ISBN 1-57912-023-7.
- Gill, Cecil, Beatrice Warde and David Kindersley. The Life and Works of Eric Gill. Papers read at a Clark Library symposium, 22 April 1967. Los Angeles : William Andrews Clark Memorial Library, University of California, 1968
- Gill, Evan and Peace, David (eds). Eric Gill: The Inscriptions. Herbert Press: 1994. ISBN 1-871569-66-4
- Harling, Robert. The letter forms and type designs of Eric Gill. Westerham : Eva Svensson, 1976. ISBN 0-903696-04-5
- Holliday, Peter. Eric Gill in Ditchling. Oak Knoll Press, 2002. ISBN 1-58456-075-4
- Kindserley, David. Mr. Eric Gill: Further Thoughts by an Apprentice. Cardozo Kindersley Editions: 1967. 1982. ISBN 0950194654
- MacCarthy, Fiona. Eric Gill. Faber & Faber: 1989. ISBN 0-571-14302-4
- Macmillan, Neil. An A–Z of Type Designers. Yale University Press: 2006. ISBN 0-300-11151-7.
- Miles, Jonathan. Eric Gill & David Jones at Capel-y-ffin. Bridgend, Mid Glamorgan : Seren Books, 1992. ISBN 1-85411-051-9
- Pincus, J.W., W. Turner Berry and A. F. Johnson. Encyclopædia of Type Faces. Cassell Paperback, London; 2001. ISBN 1-84188-139-2
- Skelton, Christopher, (ed.) Eric Gill – The Engravings. London : Herbert, 1990. ISBN 1-87156-915-X
- Speaight, Robert. Life of Eric Gill. London : Methuen, 1966
- Thorp, Joseph. Eric Gill. London : J. Cape, 1929
- Yorke, Malcolm. Eric Gill – Man of Flesh and Spirit. London : Constable, 1981. ISBN 0-09-463740-7
ノート
- ^ See My time with Eric Gill: a memoir, Gamecock Press, 1980, ISBN 0-9506205-1-3.
- ^ See catalogue: Eric Gill, the engravings, Herbert Press, 1990, ISBN 1-871569-15-X.
- ^ http://www.identifont.com/show?12W
- ^ 大曲都市 (2022年12月19日). “書体は作者の罪を背負うか エリック・ギルをめぐって”. The Graphic Design Review. 2023年1月11日閲覧。
- ^ Fiona MacCarthy, "Gill, (Arthur) Eric Rowton (1882–1940)", Oxford Dictionary of National Biography, Oxford University Press, Sept 2004; online edn, May 2006 accessed 13 Dec 2006
外部リンク
- ギルの作品の一例 、 テート・ギャラリー蔵
- Identifont biography
- ギルの作品と私生活に関する論文、Fiona MacCarthy著
- マッカーシーによるギルの性生活に関する発見と出版についての論文
- Learning to Live With Eric Gill 、Clifford Longleyによるギルの私生活と作品の関係についての論文
- Join us to learn more about Eric Gill and the Guild エリック・ギル協会
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