インド・スキタイ王国とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 組織・団体 > 政治組織 > 王朝 > インドの王朝 > インド・スキタイ王国の意味・解説 

インド・スキタイ王国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 14:31 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
インド・スキタイ王国
前2世紀 - 4世紀

インド・スキタイ王国の領域。
公用語 ギリシア語ガンダーラ語
首都 シガル英語版タクシラマトゥラー
前90年 - 前60年 マウエス英語版
前57年 - 前35年 アゼス1世英語版アズィリセス英語版
前35年 - 前12年 アゼス2世英語版
変遷
不明 xxxx年xx月xx日

インド・スキタイ王国(インド・スキタイおうこく、英語:Indo-Scythian Kingdom)は、紀元前1世紀の西北インドに興ったスキタイ系のサカ人による諸王朝。インド・スキタイ朝インド・サカ王朝サカ王朝サカ王国ともいう。インド・グリーク朝の文化を受け継ぎ、多くのコインを残した。

歴史

遊牧民の大移動と建国

紀元前2世紀モンゴル高原の覇者となった匈奴西域攻略を開始すべく、手始めとして敦煌付近にいた月氏を駆逐した。月氏はイシク湖周辺にまで逃れ、もともとそこにいた塞族(サカ人)を追い出してその地に居座った。追い出された塞族は縣度(パミール高原ヒンドゥークシュ山脈)を越えてガンダーラ地方に罽賓国を建てたり、途中のパミール山中に休循国や捐毒国を建てたりした[1]。これらの国々がインド・スキタイ王国なのかは不明だが、紀元前85年頃には北方遊牧民(広義のスキタイ:サカ)が西北インドに侵入し、インド・グリーク朝を滅ぼして自らの王国を築いた。


文化

インド・スキタイのコイン

インド・スキタイ王国もインド・グリーク朝にならい、多くのコイン(銀貨銅貨)を鋳造した。コインの表にはギリシア文字ギリシア語の銘文と王の騎馬像が、裏にはカローシュティー文字ガンダーラ語の銘文と神の像が刻まれている。[2]

マウエス英語版のコイン
スパラホレス英語版のコイン
スパリリセス英語版のコイン
スパラガダメスのコイン
アゼス1世英語版のコイン
アズィリセス英語版のコイン
ゼイオニセスのコイン
カラホステスのコイン
アスパヴァルマのコイン
ビマジュナのコイン
バダヤサのコイン

インド・スキタイの諸王

西北インド

  • マウエス英語版(前90年 - 前60年)
  • ヴォノネス英語版(前75年 - 前65年)
  • スパラホレス英語版(前75年 - 前65年)
  • スパリリセス英語版(前60年 - 前57年)
    • スパラガダメス(前50年)
  • アゼス1世英語版(前57年 - 前35年)
  • アズィリセス英語版(前57年 - 前35年)
  • アゼス2世英語版(前35年 - 前12年)
  • ゼイオニセス(前10年 - 10年)
  • カラホステス(前10年 - 10年)
  • ハジャトリア

クシャハラタス

  • リアカ・クスルカ
  • クスラカ・パティカ
  • アブヒラカ
  • ブマカ
  • ナハパナ

アプラカラジャス

  • ヴィジャヤミトラ
  • イトゥラヴァス
  • アスパヴァルマ

パラタラジャス

  • クヴスヴメ
  • スパジャナ
  • スパジャヤム
  • ビマジュナ
  • ヨラミラ(2世紀)…バガヴェラの子
  • アルジュナ(2世紀)…ヨラミラの子
  • カリヤナパ
  • フヴァラミラ(2世紀)…ヨラミラの子
  • ミラヴァラ(2世紀)…フヴァラミラの子
  • ミラタクマ(2世紀)…フヴァラミラの子

北クシャトラパ(マトゥラー地方)

  • ハガマシャ(紀元前1世紀)
  • ハガナ(紀元前1世紀)
  • ラジュヴラ(10年頃)
  • ソダサ…ラジュヴラの子
  • カラパッラナ(130年頃)
  • ヴァナスパラ(130年頃)

その他

  • バダヤサ
  • マムヴァディ
  • アルサケス

西クシャトラパ

  • ナハパナ(119年 - 124年)
  • チャシタナ(120年頃)…グサモティカの子
  • ジャヤダーマン…チャスタナの子
  • ルドラダーマン1世(130年頃 - 150年頃)…ジャヤダーマンの子
  • ダマジャダスリ1世(170年 - 175年)
  • ジヴァダーマン(175年)
  • ルドラシムハ1世(175年 - 188年)
  • イスヴァラダッタ(188年 - 191年)
  • ルドラシムハ1世(復位、191年 - 197年)
  • ジヴァダーマン(復位、197年 - 199年)
  • ルドラセーナ1世(200年 - 222年)
  • サムガダーマン (222年 - 223年)
  • ダーマセーナ(223年 - 232年)
  • ダーマジャダスリ2世(232年 - 239年)
  • ヴィラダーマン(234年 - 238年)
  • ヤソダーマン1世(239年)
  • ヴィジャヤセーナ(239年 - 250年)
  • ダーマジャダスリ3世(251年 - 255年)
  • ルドラセーナ2世(255年 - 277年)
  • ヴィスヴァシムハ(277年 - 282年)
  • ブラタダルマン(282年 - 295年)
  • ヴィスヴァセーナ(293年 - 304年)
  • ルドラシムハ2世(304年 - 348年)
  • ヤソダーマン2世(317年 - 332年)
  • ルドラダーマン2世(332年 - 348年)
  • ルドラセーナ3世(348年 - 380年)

脚注

  1. ^ 漢書』西域伝
  2. ^ 二言語併用貨幣の伝播:ギリシア系バクトリア王国からクシャン朝まで

参考資料

関連項目

外部リンク


インド・スキタイ王国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 23:03 UTC 版)

アフガニスタンの歴史」の記事における「インド・スキタイ王国」の解説

詳細は「インド・スキタイ王国」を参照 紀元前2世紀匈奴モンゴル高原覇者になり敦煌月氏駆逐すると、逃れた月氏塞族追い出しイシク湖定住した塞族は、パミール高原越えて定住始め紀元前85年インド・グリーク朝侵攻し紀元前10年最後ギリシア王朝滅亡しサカ人のインド・スキタイ王国が興った

※この「インド・スキタイ王国」の解説は、「アフガニスタンの歴史」の解説の一部です。
「インド・スキタイ王国」を含む「アフガニスタンの歴史」の記事については、「アフガニスタンの歴史」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「インド・スキタイ王国」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インド・スキタイ王国」の関連用語

インド・スキタイ王国のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インド・スキタイ王国のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインド・スキタイ王国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのアフガニスタンの歴史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS