イタリアとフランスのナチス映画
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「ナチスプロイテーション」の記事における「イタリアとフランスのナチス映画」の解説
当時、ヨーロッパの映画製作者たちも、イルザ型の悪役たちと共に独自の毒々しいナチス映画を製作していた。1977年、マリサ・ロンゴ(英語版)は『ゲシュタポナチ女囚拷問/暗黒の大脱走(フランス語版)』でサディスティックな女性収容所の女所長を演じた。同年、ロンゴはナチの軍用売春列車を管理するSM趣味の元娼婦エルザとして(『サロン・キティ』にインスパイアされた)『地獄行最終便・ゲシュタポ超特急(英語版)』にも出演した。 このジャンルで最も悪名高い映画の1つに、1977年にイタリアで製作された『女囚ファイル 獣人地獄!ナチ女収容所(英語版)』がある。ドイツの女優マッカ・マゴール(イタリア語版)は、セクシーではあるが徹底的に邪悪で冷淡なブロンドのナチ党員エレン・クラッチ博士を演じた。この映画は拷問、残虐行為、生々しいレイプシーンが豊富で、当初はイギリスで上映を禁止されていた。やや穏便に編集されたものがアメリカで『SS Experiment Camp 2』として公開された。マゴールは他にもナチスの売春宿を舞台にした『ナチ(秘)女体飼育館・ゲシュタポ慰安部隊(英語版)』(1977年)に出演している。 1976年の映画には、ソフトコアセックスシーンと親衛隊将校の去勢を描いた、セルジオ・ガローネ(英語版)の『ナチ第三帝国/残酷女収容所(英語版)』がある。ルイジ・バッツェラの2番作目のナチス映画である『女囚ファイル 獣人地獄!ナチ女収容所』は、イルザのようなナチスの科学者によって作成された性的に狂ったミュータントが呼び物であった。ブルーノ・マッティ(英語版)監督の『ナチ(秘)女体飼育館・ゲシュタポ慰安部隊』は、『サロン・キティ』のあからさまな模倣であった。マッテイはロレーヌ・ド・セル(英語版)主演の『Woman's Camp 119』も撮った。この映画は実在の記録に基づき、囚人に対して行われた恐ろしい生体実験を描いている。『悪魔のホロコースト(英語版)』はジョン・スタイナー(英語版)がユダヤ人女性への愛欲で精力を浪費する、セックスに狂った親衛隊指揮官として主演した。ルイジ・バッツェラの『(秘)ナチス残酷物語/アフリカ拷問収容所』(Achtung! The Desert Tigers)は砂漠の収容所の拷問シーンの多くでストックフッテージ・シーンを織り交ぜている。 1977年には、収容所所長と囚人の恋愛を描いた『ゲシュタポナチ収容所(英語版)』が公開された。『ナチ女収容所/続・悪魔の生体実験』(SS Camp 5: Women’s Hell)は『ナチ第三帝国/残酷女収容所』の姉妹作で、同じキャストとクルーが起用されている。『ゲシュタポ-背徳の嵐-(イタリア語版)』は、ナチ親衛隊員が城で女性を虐待するソフトコア・セックス映画である。主演のシルパ・レイン(英語版)が売春宿に拉致されたユダヤ人の少女を演じた『ナチ(秘)女収容所/ゲシュタポ・ハーレム(英語版)』は、ハードコアセックスシーンと脚本を著名なジャンフランコ・クレリチ(英語版)が書いたことで有名である。 このジャンルは10年で自然消滅した。
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