カナダのニューファウンドランドから南東部をへて、米国のメイン州など北東部から5大湖地方をへて、ジョージア北部とテネシー州の山地にわたって分布しています。比較的低い地域にみられる樹種で、1000m以上に分布しているのは、アパラチア山脈南部のみです。樹高は18~24mで:直径は0.75mに達します。北米産のカンバ類のなかの代表的な樹種です。 ■木材 心材と辺材の色の差は、はっきりしていることが多いです。辺材は淡黄色です。心材は普通、赤褐色ですが、樹によって色の違いがかなりあるといわれています。木理は通直で、肌目は精です。年輪の境には、色の濃い線があって、かなりはっきり見えます。木材は均一で、その性質は日本産のマカンバやミズメとほとんど同じと考えてよいでしょう。気乾比重は0.71で、重硬な木材といえます。加工は容易で、材面はよく仕上がります。また、塗装の仕上がりがよく、扱いやすい木材といえます。 ■用途 どちらかというと、材面が特別な模様をもたず、ほぼ均質で、これといった特徴をたないので、時代の流行にのらずに、むしろ常に一定の根強い需要がある木材といえます。いろいろの用途がありますが、なんといっても、現在では、家具あるいは内装用に用いられるのが中心でしょう。器具材、ベニヤ材、靴の木型を始め多くの用途がありますが、現在では価格が高くなり、目に触れるものは、ほとんど高級家具になっています。日本にも少量ですが、輸入されて家具に使われています。 |