アルケの伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/10 14:18 UTC 版)
昔、現在のアルフハウゼン集落に12軒しか家がなかった頃、人々はメルツェンの教会まで通わなければならなかった。このうち、1軒の家は他の家から離れたギールスフェルトの墳墓に近い荒れ地にあった。ここは「クルーク」(酒場)と呼ばれ、教会へ長い道を通う人たちがビールで一息つく場所であった。アルケという名の主人は愛する神のことよりも、稼ぎのことを考えた。彼は人々にいつもミサには間に合うと言って酒を飲むように強要していた。このため、この集落の人たちが時間通りにつくことは滅多になくなった。そしてついに彼に神の裁きが下った。いつものように教会行く人たちを待って、罰当たりな言葉を口にしたとたん、この家は地中に沈んでいった。こうして家も農地も主人と一緒に沈んでしまったのである。 この場所には2つの深い穴「アルケンクルーク」ができた。人々は残った11軒の家をアルフハウゼンと名付けた。自業自得で沈んだ人たちを永遠にコミュニティーから排除し、固有の教会を建設した。しかし、アルケが家と一緒に沈んでいった場所では、夜中になるとアルケが悪事を働いていた。アルケンクルークの周りを3周してアルケの名を呼ぶと、アルケが燃える車に乗って現れ、奈落に引きずり込まれると言われていた。 ある日、農夫のグルムフェルトが数人の友人と座ってビールを飲みながら話をしていた。彼は賢くて速い馬を持っていたが、雷、嵐、ひどい飢饉に苦しんでいたので、今夜白馬でアルケンクルークに行ってアルケと勝負をすると言い出した。他の者たちはこの言葉を真に受け、失敗することに 9ポンドの銀を賭けた。彼はこの賭を受けて立ち、馬に乗る準備をした。彼は馬を飾り立て、アルケンクルークへ行くと、夜になったらすることを馬に指示した。この賢い馬はすべて了解し、主人を乗せて素早く戻った。彼は夜に大きな門を開けて欲しいと言い、持っている最上の食べ物を与えた。そして彼は、厳粛に敬虔な気持ちで父と子と聖霊に、自分の罪を赦し、魂を護り、危機から救って下さるよう3度祈った。 真夜中が近づいた。グルムフェルトはアルケの穴へ馬で行き、その縁に着いた。静かで星の明るい夜だった。物音はせず、キツネやフクロウさえ音を立てなかった。白馬はじっとして脚を動かすこともしなかった。グルムフェルトは静かに祈りを捧げた。やがて12時の鐘がまずエッフェルンから、次いでメルツェン、最後にアルフハウゼンから聞こえた。最後の鐘が鳴った時彼は大声で叫んだ「アルケ、出てこい!俺と競争しろ」。すると不気味な声がこれに応えた「俺は靴を履いた。お前を追いかけ、悪魔に引きずり込んでやる。」その声を聴いたとたん、農夫は馬に拍車を加え、猛烈に馬を農場へ疾走させた。アルケは燃える車でそれを追った。怪物はだんだん近づいてくる。怪物が騎手を捕らえようとしたその瞬間、白馬は土間の扉を越えた。 グルムフェルトは無事で、賭に勝ったが、馬を失った。馬は倒れ、死んでしまった。火葬場でグルムフェルトは神に感謝し、2度とこんな事はしないと誓った。 翌朝、門柱に燃え立つ輪の印があった。それは黒い炭になった。
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