アルギニン関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 07:21 UTC 版)
一酸化窒素 (NO) は頭痛を引き起こすと見られている (NO誘発性片頭痛)が、体内において一酸化窒素は一酸化窒素合成酵素によってL-アルギニンから生成される。 アルギニンの生合成は尿素回路で行われているが、関係は不明なものの、慢性尿素回路障害の症状にも頭痛が存在する。また、頭痛を持つ非高アンモニア血症のオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症患者は、頭痛を持たない同病患者よりもNOx及びアルギニンレベルが低いという報告が存在する。 ミトコンドリア脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様発作症候群 (MELAS) においては、L-アルギニンの摂取が(頭痛を含む)その症状を改善するとされる。 アレルギー性鼻炎は頭痛の原因の一つであるが、アレルギー性鼻炎では鼻粘膜においてL-アルギニン分解酵素であるアルギナーゼの発現レベルが上昇しているという報告がある。関連は不明だが、L-アルギニンとL-グルタミンの組み合わせが肥満細胞におけるロイコトリエンC4の遊離を防ぐというin vitroな研究が存在する。しかし、L-アルギニンの摂取は、逆にアレルギー反応を引き起こす可能性がある。 また、体内の細菌には、宿主のアルギニンやその代謝物を減らして、自らのエネルギー源とするものが存在する。歯周病は片頭痛の原因の一つとして疑われているが、関連は不明なものの、主な歯周病の病原菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスは、他の口腔細菌と異なりペプチジル-アルギニンデイミナーゼ(英語版)によってタンパク質-アルギニンの代謝を行っている。高気圧酸素治療は歯周病にも効果があるとされる (ただし、スケーリング・ルートプレーニングと組み合わせた方が効果的とされる)。
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