アルギン酸の修飾と機能化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/29 15:55 UTC 版)
「カプセル化細胞」の記事における「アルギン酸の修飾と機能化」の解説
アルギン酸を修飾した、マイクロカプセルの開発もされている。膜の生体材料の生体適合性を高めるために、封入された細胞の、増殖や分化の程度を制御するペプチドおよびタンパク質分子を用い、カプセルの表面を修飾することが研究されている。アミノ酸配列Arg-Gly-Asp(RGD)でアルギン酸ヒドロゲルを修飾することで、細胞の挙動が、その結合したRGDの濃度によって制御できるとの報告がある。臨床応用における、細胞のマイクロカプセルのもう1つの重要な要素は、アルギン酸を修飾し免疫適合性をもたせ、免疫から保護することである。ポリ-L-リシン(PLL)が修飾に利用されるが、その生体適合性は低く、炎症を誘引して、中の細胞は壊死し、臨床的な応用は難しい。 アルギン酸-PLL-アルギン酸(APA)で修飾すると、マイクロカプセルは機械的な安定性が低く、短期間の耐久性しか示さない。ポリL-オルニチン 、やポリ(メチレン-グアニジン)塩酸塩(poly(methylene-co-guanidine) hydrochloride) を用いると、細胞の機械的強度が高く制御された耐久性のあるカプセル化細胞ができ、有望だという報告がある。 いくつかのグループは、細胞を包むためのマイクロカプセルを製造するため、PLLの代替物として、天然に由来するキトサンを使用し、アルギン酸 - キトサン(AC)のマイクロカプセルの研究している。 しかしながら、このAC膜にも、安定性について問題があると示されている。 結合したアルギン酸 - キトサン(GCAC)マイクロカプセルは、細胞を充填したマイクロカプセルの安定性を高めることができる。
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