アメリカ合衆国における2つの評価軸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/27 05:10 UTC 版)
「荒川仁人 対 オマール・フィゲロア戦」の記事における「アメリカ合衆国における2つの評価軸」の解説
『リング』誌の公式ウェブサイトRingTV.comでは、両者は最後まで一進一退の攻防を繰り広げ、年間最高試合候補となる最高評価の試合を戦ったが、フィゲロアの凄まじい勝利は、同誌の選定する「強さ」を基軸とした個別のボクサーのトップ10に名を連ねるには不十分として、この試合による同誌ランキングの変動はなく、両者ともにランク外のままとなった。 一方、RingTV.comはこの年それまでに行われた試合を対象に、ファンがどの試合を年間最高試合として支持するか投票を募り、8月15日に結果を発表した。合計11,000件を超える投票の結果、1位に選ばれたのはティモシー・ブラッドリー対ルスラン・プロボドニコフ戦(44.4パーセント)で、荒川対フィゲロア戦は2位となる19.4パーセントを獲得した。3位にはブランドン・リオス対マイク・アルバラード戦(再戦、16.4パーセント)が選ばれ、以下にカール・フローチ対ミッケル・ケスラー戦(再戦)、マルコス・マイダナ対ホセシト・ロペス戦、エリスランディ・ララ対アルフレド・アングロ戦、ギレルモ・ジョーンズ対デニス・レベデフ戦が続いた。年間最高試合選出の基準は「面白さ」であるとされている。 パウンド・フォー・パウンドの概念が強さの象徴となっているのとは別に、米国では観客を楽しませ、興奮させるファイトスタイル、あるいは勇敢さや勝利への意志を持つボクサーが高く評価される土壌があり、このような選手のトップを占める者たちは分ごとラウンドごとにファンの関心を惹きつけ、巨額のテレビマネーを稼ぎ出す。その代名詞となっているのがアルツロ・ガッティである。価値を下げる一方の世界王座そのものへの関心は薄れ、特にHBOは純粋な強さ、面白さで中継カードを選別し、主催者側の選手だけでなく、その対戦相手の質にもこだわっている。ボクサー自身にとっても、大手ケーブルテレビ局のHBOやショウタイムで試合を中継されることは、それ自体がステイタスとなっている。
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