アパチャー(細孔)方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 08:59 UTC 版)
「コールターカウンター」の記事における「アパチャー(細孔)方式」の解説
アパチャー方式は、市販のコールターカウンターでよく使用されている。この方式の装置では、特別な製造工程によって作製された宝石でできたディスクに所定のサイズの細孔をあける。この細孔を設けたディスクは、ガラス管壁にはめ込まれる。このように製造加工されたガラス管は一般にアパチャーチューブと呼ばれる。計測中、アパチャーチューブの細孔ディスク部を完全に電解液中に沈め、チューブ内が液体で満たされるように設置される。電極はアパチャーチューブの内側と外側の両方に配置され、そうすることで電流が細孔を通って流れることが可能になる。真空ポンプを使用してチューブの上部の気圧を下げることにより、細孔から液体が吸引される。その後、アパチャーチューブの周囲に満たした導電性の液体にゆっくりと分析サンプルを加える。測定開始時に、電場が加えられ、ポンプは細孔を通して試料を適切に希釈して作成した懸濁液をチューブ内に引き込み始める。粒子が細孔を通過する時に発生した電気的変化のパルスを記録することによって、測定データが収集される。 アパチャー方式の基本となる物理的設定は、すべてのコールターカウンターで一貫しているが、データ量と品質は、装置に実装されている信号処理回路の品質に大きく変化する。例えば、ノイズの閾値がより低く、ダイナミックレンジがより大きい増幅装置は、システムの感度を上げることができる。同様に、可変データ区間幅を有するデジタルパルス波高分析器は、固定データ区間幅を有するアナログ分析器とは対照的に、はるかに高い分解能のデータを与える。さらに、コールターカウンターをデジタルコンピュータと組み合わせることによって、様々な電気的変化特性を持ったパルスを計測することが可能になる。一方、アナログのカウンターでは、通常、電気的変化のパルスについての情報量はかなり限定される。
※この「アパチャー(細孔)方式」の解説は、「コールターカウンター」の解説の一部です。
「アパチャー(細孔)方式」を含む「コールターカウンター」の記事については、「コールターカウンター」の概要を参照ください。
- アパチャー方式のページへのリンク