アナログ集積回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 06:10 UTC 版)
1975年よりSi半導体集積回路(LSI)の研究に従事する。まず、MOSFETや電荷結合素子(CCD)を用いたアナログMOS-LSIの開発に着手した。代表的なLSIとして、多数の浮遊電極型タップを実装したCCD遅延線(1979年)(日本国特許1309909、1349893)、新たに開発した二重分割電極(double- split-electrode)型CCDを搭載した音声チャネルフィルタ(1980年)(日本国特許1377077)、非巡回形マツチドフイルタ(日本国特許1496458、1508158)(1981年)、等がある。上述の浮遊電極型タップ付きCCD遅延線を搭載したLSIとして、学習機能を持つ世界初の集積化アナログ自動等化器(1982年)、二次元逆フィルター(1979年)および最小位相非巡回型フィルタ(1979年)がある。本アナログ自動等化器は線形自動等化器や非線形自動等化器に応用された。学習機能は重み係数を適応的に更新する機能で、エコーキャンセラー、ニューラルネットワーク、等に必須の機能である。MOSFETの微細化・縮小化による回路への効果や影響を定量化するため、MOS演算増幅器(1982年)を基本に「アナログMOS回路の比例縮小則(スケーリングルール)」を確立した(1983年)。これよりアナログMOS回路の諸特性(スルーレート、開ループ利得、等)が飛躍的に向上することが示された。さらにスイッチトキャパシタ(SC)を搭載したアナログMOS-LSIとして、アナログ遅延線(1982年)、オフセットエラーキャンセラー(1983年)、4象限アナログ乗算回路(1985年)、等がある。
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