アナログICの設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/19 14:04 UTC 版)
以前は、アナログICは人間が手で計算して設計していた。オペアンプなどの基本的な回路がアナログICとして実装されるが、せいぜい10個のトランジスタを集積している程度であった。試行錯誤と余裕を持った設計(素子の配置)をすることでアナログICが製造可能となっていた。既存の設計を流用することで、より複雑なICが構築されていった。1970年代にコンピュータのコストが低くなると、回路設計のシミュレーションソフトウェアが書かれるようになり、人間が計算するよりも正確で実用的な手段となっていった。集積回路のシミュレーションが可能な、よく知られており広く使われている電子回路シミュレータはSPICE(Simulation Program with Integrated Circuits Emphasis)である。コンピュータによる回路シミュレーションツールが複雑なIC設計を可能にし、アナログASICの設計も実現されるようになった。また、製造前に間違いを検出することも容易になった。また、手で設計していた頃には困難だった洗練されたデバイスモデルや回路解析が可能となり、モンテカルロ法による解析などが実用化された。温度による特性変化や半導体プロセスによる特性変化のシミュレーションも容易となった。以上のように、コンピュータによる回路シミュレーションによってアナログ集積回路設計は格段の進歩を遂げた。
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