アジア系アメリカ人からの抗議
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/20 01:27 UTC 版)
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」の記事における「アジア系アメリカ人からの抗議」の解説
この映画には、民族対立を助長するような表現、差別用語("Chinks"、"Slant-eyed"、"Yellow niggers"、"Polak"など)の使用、性差別表現などについて、中国系(中華系)を含むアジア系アメリカ人からの抗議が相次いだ。いくつかのコミュニティからは、この映画がチャイナタウンのイメージを悪くし、経済的打撃を与える恐れがあるという抗議も上がった 。これらの抗議を受け、オープニングクレジットには以下の注意書きが付け加えられた この映画には、アジア系アメリカ人や特定の中国系アメリカ人のコミュニティの良い面を卑しめたり無視したりするものではありません。仮にこの映画の描写が実在の団体や個人、さらにはチャイナタウンそのものを連想するものであったとしても、この映画とは一切関係ありません。 監督のチミノは、Jeune Cinémaとのインタビューの中で、以下のように話している。 この映画は人種差別を扱っていますが、それを推奨するための映画ではありません。このような問題を扱うにあたって、人種差別の傾向を明かしていくことは必要となります。かつてアメリカに移住した中国人が経験したように、周辺的な地位に追いやられるということは我々にとっても初めてでした。そのことについて、人々は、あまりにも無知なのです。実際1943年まで中国人にはアメリカの市民権が与えられなかったことに、現在のアメリカ人たちは驚くでしょう。彼等は妻をアメリカに連れて行くことすら許されなかったのです。ハーバートがスタンリーに話したことは、称賛されるべきなのです。これらの理由から、中国人はこの映画が大好きです。そして、記者たちの批判は、これらの悪い事実を知られたくないところからきているのでしょう。 チミノの発言通り、劇中ではアメリカ社会の暗部が糊塗されることなく随所に表現され、民族差別問題の存在が提起されている。ミッキー・ローク演じる刑事もポーランド系アメリカ人という設定であり、同問題とは無縁でない出自であることが描写されている(ポーランド系という設定は、終盤で生きることになる)。
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