ラテンアメリカ・エネルギー機構
【英】: organización latinoamericana de energia
略語: OLADE
ラテンアメリカ諸国による域内エネルギー資源の保護と活用を主目的としている。1973 年 11 月 2 日調印の「リマ協定」の発効に伴い、1974 年 11 月 19 日に創設された国際機構で、本部はエクアドルの首都キトに置かれている。加盟国はメキシコからチリに至る中南米の 25 カ国であり、アルゼンチンはオブザーバーとなっている。本機構の目的は、設立を定めた「リマ協定」において「域内エネルギー資源を統合し、(先進国の収奪から)防衛すること」と規定されており、そのための主要な活動として、(1) 国有化など加盟国の主権の行使に対して先進国から制裁が行われた場合は、加盟国は連帯してこれにあたる、(2) 加盟国間のエネルギー資源の直接取引を推進する、(3) 域内共通エネルギー政策を確立する、(4) エネルギー資源開発のための金融機関を設立する、などが定められている。この目的遂行の組織として、(1) 閣僚会議(最高決定機関で 6 カ月ごとに開催)、(2) 閣僚委員会、(3) 専門家会議(閣僚会議のための準備機関)、(4) 常設事務局、が設置されている。本機構はもともと域内の主要輸出国であり、当時国際石油会社と緊張関係にあったベネズエラが主唱者となり、これにキューバなど反米主義に立つ諸国が同調し、おりから域内諸国間で統合への気運が盛り上がっていた時代風潮も重なって、その誕生が実現したものである。しかし本機構の加盟国は産油国よりもむしろ石油輸入国が多く、各国の工業化の度合いが異なっている上に、多国籍企業との関係や本機構に寄せる期待も必ずしも一様ではなかったこともあって、当初 OLADE の活動は順調とはいえない状況にあった。ところが 70 年代の後半、大産油国として登場したメキシコが同機構に対して積極姿勢に転換したこと、さらに 79 年に第二次石油危機が表面化したことなどもあって、ベネズエラおよびメキシコの両国を軸とする OLADE の役割と重要性は、次第に加盟国の間に認識されるに至り、その活動も活発化してきた。とりわけ、この両国が協調して域内加盟国に対し有利な条件で石油の供給を保証することを取り決めた「サンホセ協定」(1980 年 8 月)の成立は、本機構の新段階を示すものとして注目された。 |

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