やまりん事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:04 UTC 版)
1998年、製材会社やまりんは国有林無断伐採事件を起こした。林野庁は6月25日、国有林の公売などの入札参加資格を7カ月間停止する処分をした。行政処分後、やまりんの関連会社2社が樹木の公売7件を落札していたことが明らかになる。関連会社は処分の対象ではないが、林野庁は「道義的に問題がある」として、契約を辞退するよう説得する。2社ともこれを受け入れて辞退した。 やまりんの社長や関連会社の役員らは8月4日、内閣官房副長官だった鈴木宗男を訪ね、行政処分で受けた不利益を補うよう取り計らってほしいと依頼。鈴木は見返りとして500万円を受け取り、旧知の林野庁幹部に数回にわたり関連会社の落札開始の働きかけ及び随意契約による利益確保を働きかけていたとされる。この事件で鈴木宗男と政策秘書が起訴された。 鈴木は、初当選時にお祝いの政治資金として400万円を正規の形で受け取ったのみである上、やまりんの不祥事の際に全て返還しており、残る100万円も検察側のでっち上げであると主張している。林野庁への働きかけは林野庁OBの松岡利勝による物であり、また鈴木宗男に関する林野庁関係者とやまりん関係者の証言には不自然さがあると主張した。 判決は「林野庁関係者とやまりん関係者の証言には不自然さはない。口利きについて松岡利勝が全く関与していないのは事実ではないが、鈴木宗男が主体的に動いたのは間違いない。松岡利勝より政治家としてのキャリアで政治的優位があり地盤は北海道である鈴木宗男が関与したことが不自然とはいえない。」として鈴木宗男の主張を退けた。 また、鈴木宗男は法廷で証人として自分に不利な証言をした林野庁次長(当時)について「夏季休暇中に被告とアポイントを取った証言は虚偽である」と主張したが、検察側は夏季休暇取得奨励の為に役職者が率先して夏季休暇取得したもので実際には仕事があれば出勤していたことや証人が当該日に出勤していたとする証拠を提示し、裁判所は林野庁次長の証言を採用し鈴木宗男の反論は退けた。鈴木宗男は元林野庁次長に対して偽証罪告発したが検察は不起訴とし、検察審査会に不服申し立てたが不起訴相当を議決した。2010年10月に鈴木は一二審で虚偽の証言をされて有罪になったとして元林野庁次長に対して3300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたが、2014年に敗訴が確定した。
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