能登の揚浜式製塩の技術
名称: | 能登の揚浜式製塩の技術 |
ふりがな: | のとのあげはましきせいえんのぎじゅつ |
種別1: | 民俗技術 |
保護団体名: | 能登の揚浜式製塩保存会 |
指定年月日: | 2008.03.13(平成20.03.13) |
都道府県(列記): | 石川県 |
市区町村(列記): | 珠洲市清水町 |
代表都道府県: | 石川県 |
備考: | |
解説文: | 本件は、海面より高い場所に造成した塩田に海水を汲み上げて塩を作る揚浜式の製塩技術である。粘土を用いて人工の地盤を築いた塗浜と呼ばれる塩田で行われ、塩田に海水を撒いた後、塩分の付着した砂を集めて塩分濃度の濃い鹹水を採る塩浜作業と、鹹水を釜で煮詰めて塩を結晶化させる釜屋作業からなる。 製塩の作業は、春先の塩田整備に始まり、日照量の多い夏を最盛期とする。塩浜作業は「潮汲み3年、潮撒き10年」と呼ばれるほど熟練した技術を要し、天候や風雨を予想しながら行われ、一方、釜屋作業は、熱気が立ち込める釜屋の中で、火加減を調整し、アクを取り除きながら夜を徹して行われる。 能登における製塩は、加賀藩が藩の産業として塩づくりを奨励したため、近世には独自の発展を遂げ、その後、近代になり国の専売制が実施されると衰退の途を辿ったが、珠洲市では、当地で長年製塩業に従事してきた角花家を中心に保存会が結成され、揚浜式製塩の技術を今日に伝えている。 本件は、伝統的な製塩技術の多くが姿を消す中で、揚浜式製塩の技術を伝える稀少な事例であり、海水を塩田に均一に撒く「潮撒き」など熟練した技術を伝えているなど、我が国の製塩技術の変遷を理解するうえで重要である。また、塗浜での製塩も地域的特色が顕著である。 |
生産・生業: | 小木のたらい舟製作技術 木積の藤箕製作技術 津軽海峡及び周辺地域における和船製作技術 秋田のイタヤ箕製作技術 能登の揚浜式製塩の技術 |
衣食住: | 江名子バンドリの製作技術 越中福岡の菅笠製作技術 |
- 能登の揚浜式製塩の技術のページへのリンク