その学説とは? わかりやすく解説

その学説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 09:33 UTC 版)

フリードリッヒ・リスト」の記事における「その学説」の解説

国民国家リスト同時代歴史家アダム・ミュラー(英語版)と「国家人間基本的に必要とする一つのものであるのみならず人間が必要とする至上最高のものである」という見解共有していた。国家国民保護しなければならないだけではなく国民性あらわれそのものであった。「全世界わがものとするも、国民性にして損なわれるとあらば何の得るところがあろうか」とリスト書いている。 発展段階論リスト国民経過しなければならない発展段階5つ分けた原始的未開状態、牧畜状態、農業状態、農工業状態、農工商業状態である。その国民がどの発展段階にいるかによって、国家が果たすべき役割異なる。諸国民の間には無限の差異があり、どの国家でもそれぞれの使命を持つ。未開国民文明化し、弱小国民強大化するのがすべての国家使命である。 保護貿易リストは、かつての重商主義ドイツ情勢適用しドイツ国民として統一し自由な国民とするためには単なる農業国であってはならず商業国として独立するためには自国工業を興さなければならない、と主張する国際貿易後進工業国イギリス太刀打ちするためには、国家による干渉が必要であるとの結論は、アメリカアレクサンダー・ハミルトンなどの見解とも一致する農業制度イギリス工業のための原始蓄積として、農村から過剰人口流出するまかせたが、「ドイツイギリスのようにはなり得ないし、またうなってならない」。そしてそのために国内零細農業を排し中産農場主創出する政策説く。彼らの存在社会主義への防壁となり、国家偉大なものにする保障となるであろう政治経済学政治経済学」は、国民にそれ自身使命自覚させるためにあり、経済状態推移するにつれて変化しなければならない経済学静態的なものではなく、より現実変化適合したものへと発展しなければならないアダム・スミス自由貿易のために十分成長したイギリスのためにその経済学考え出したが、それは「国民「国家」役割度外視する万民経済学」である。ドイツ現在の発展段階適合した学問ではない。 歴史学派リストは、歴史が示す実例用いて国家への警告とする。ある経済政策国家行動が妥当かどうか基準普遍的な経済理論ではなく過去事実求めるというこの態度は、シュモラーなどのドイツ歴史学派受け継がれた。

※この「その学説」の解説は、「フリードリッヒ・リスト」の解説の一部です。
「その学説」を含む「フリードリッヒ・リスト」の記事については、「フリードリッヒ・リスト」の概要を参照ください。

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