そうら・う〔さうらふ〕【候ふ】
読み方:そうらう
[動ハ四]⇒そうろう
そうろ・う〔さうらふ〕【候ふ】
読み方:そうろう
「鈴の綱のへんに、布衣(ほうい)の者の—・ふは何者ぞ」〈平家・一〉
2 「ある」「いる」の丁寧語。
㋐対話や消息に用い、聞き手に対し、言葉遣いを丁重・丁寧に表現する。ございます。あります。
「これなる磯(いそ)べに様(やう)ありげなる松の—・ふ」〈謡・松風〉
㋑自己の存在をいう場合に、へりくだる気持ちをこめたり、重々しく表そうとする気持ちを含めたりする。おります。
3 (補助動詞)
㋐形容詞の連用形や断定の助動詞「なり」の連用形「に」などに付く。「…である」の意の丁寧語。後世は候文として、重々しく表現する消息文などに多く用いられた。…でございます。
㋑他の動詞の連用形に付いて、その動作を丁寧に、また、重々しく表現する。これも候文に多用された。…ます。
[補説] (1) 現代でも、時に候文の重々しい口調を利用して、冷やかすような表現として用いることがある。「若い者は、仕事は楽なほうがいいの、転勤はいやでそうろうのと、勝手なことばかり言う」などはこの例。(2) 鎌倉初期ごろ「さぶらふ」から変化したが、平家物語では男性が「さうらふ」を、女性は「さぶらふ」を用いている。
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