この仕事のデザインの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 01:36 UTC 版)
「メカニックデザイン」の記事における「この仕事のデザインの特徴」の解説
本物の機械設計者や本物のロボット設計者などとは異なり、最終的に動作する実物を作り出さなくても良い、という特徴がある。本当に動くように動力や機構を厳密に設計する必要がなく、あくまでフィクション作品中の視覚的なイメージや、子供向けの玩具や模型を作り出せば済む、という特徴がある。現実世界で本当に機能する機械の設計ではなく、あくまで雰囲気重視のデザインである。 ただし、だからと言って簡単な仕事というわけではなく、アニメの視聴者の好みを的確に把握してデザインをしなければならない。基本的には子供たちの、子供らしい空想や夢を掻き立てるようなデザインでなければならない。また同時に、アニメにメカ類を登場させて動かし、アクションさせるためには適度に線が少なく単純な形でなければならない。線や色数がやたら多かったり不規則・複雑な造形・配色をしていると、作画が困難になり経費がかさむ上に時間的な面でも制作を圧迫する。かつて[いつ?]のセルアニメに迷彩塗装のメカが少なかったのはこのことが大きな要因となっている。また玩具などキャラクター商品の制作に対しても、金型制作や塗装のコストが高く付く要因になる。また“はじめに玩具ありき”という形で企画が立ち上げられることが主流であった時代には、玩具メーカーの発言力が強く、第一に玩具としての面白さや生産性、すなわち、奇抜な合体・変形機構や外観の迫力(角など)、豊富なバリエーション(強化部品や主人公メカの交代)、他作品の玩具の金型の流用によるコスト削減など玩具メーカーの都合が優先されていたが、近年はデザインの美しさや作品自体との調和や、コンピューターグラフィックスや版権を利用した各種製品への応用のしやすさが求められる。 『新世紀エヴァンゲリオン』では、『拘束された強大な力』と言う庵野秀明が提示したコンセプトに基づき、山下いくとによりデザインされた猫背な巨大兵器が登場するが、この作品の企画書を某会社に持ちこんだ際、アニメに登場するロボットのデザインはかくあるべしと逆に相手側から説教されたといわれる。
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