『夜の森』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 02:52 UTC 版)
バーンズの作家としての評判は、『夜の森』が、1936年にイギリスのフェイバー・アンド・フェイバーによって高価版で、1937年にアメリカのハーコート・ブレイスによって、T・S・エリオットの序文付きで、出版された時に、築かれた。 この小説は1920年代のパリを舞台にし、5人の登場人物の人生の周りを回るが、そのうち2人はバーンズとウッドに基づいており、その関係が終わる頃の状況を反映している。登場人物のノラ・フラッドはバーンズを思わせる人物像であるのに対して、ノラの恋人ロビン・ヴォートは、セルマ・ウッドとエルザ・フォン・フライターク=ロリングホーフェンの合成である。エリオットはその序文の中でバーンズの文体を誉めたが、それは「散文のリズム」を有し、「そして韻文のそれではない音楽的パターン...、韻文で訓練された感受性のみが全的に真価を評価し得るすぐれた小説である」と書いた。 エリオットは検閲についての心配のために、『夜の森』の中の性や宗教に関わる言葉を和らげる編集をおこなった。チェリル・J・プラムの編集でこれらの変更を元に戻した版が、1995年にダルキー・アーカイブ・プレスから出版された。 英国の詩人ディラン・トマスは『夜の森』を「これまでに女性が書いた3冊の偉大な書物の1つ」と表現し、アメリカのビート世代の作家ウィリアム・バロウズは、「20世紀の偉大な諸書の1つ」と呼んだ。1999年にパブリッシング・トライアングルによって収集されたレズビアンとゲイの本100冊の中では12番目に入っている。
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