夜の王とは? わかりやすく解説

夜の九王

(夜の王 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/18 21:09 UTC 版)

ボルジア絵文書に見える夜の九王。右下から牛耕式に進む

夜の九王[注釈 1](よるのきゅうおう)[注釈 2]は、メソアメリカの暦に見られる9日周期であり、9日それぞれを異なる神が支配する[1]

ナワトル語ではヨアルテウクティン(Yoalteuctin)と呼ばれた。この語は「夜」を意味する yoalli と、「主」を意味する tēuctli の複数形である tēuctin から構成され、夜の主を意味する[要出典]

マヤ

マヤ碑文では補足シリーズ(補助シリーズ)と呼ばれる部分に9日周期の神が記されている。名前が不明であるため、G1からG9までの識別番号で呼ばれる。メアリ・ミラー英語版カール・タウベによると、いくつかの神は図像的に同定されている。たとえばG7はおそらくハアブのパクス(パシュ)月の守護神と同じ神であり、G9はパウアトゥン[注釈 3](パワフトゥン)であるという[4][5]

長期暦トゥンは9の倍数なので、必ずG9で終わる[1][4]

チラム・バラムの書』では「ボロン・ティ・ク」(Bolon ti ku、九神)と呼ばれている[要出典]

アステカ

アステカで260日周期の暦(トナルポワリ)を記した書物(トナラマトル)には以下の9神が見える。文献によって多少の違いがある。

  1. シウテクトリ
  2. イツトリまたはテクパトル[6]
  3. ピルツィンテクトリ英語版
  4. シンテオトル
  5. ミクトランテクトリ
  6. チャルチウトリクエ
  7. トラソルテオトル
  8. テペヨロトル
  9. トラロック

夜の九王はおそらく9層からなる地下世界と関係がある[4][7]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 訳語は八杉 (1990) p.183 によった
  2. ^ ミラー&タウベ,武井訳 (2000), p.140では夜の王
  3. ^ パウアトゥン (Pauahtun)[2]とは、東西南北にあって天を支えた神々の名でもあり、同様の役割を担う神にはバカブがいる[3]メソアメリカでは、東西南北にいる神が世界を支えていると信じられており、図像には4人揃って、あるいは1人だけで表現されることも、コパンの遺跡の彫刻に見られるように2人が向き合う姿で表現されることもある[2]

出典

  1. ^ a b ミラー&タウベ,武井訳 (2000), p.140
  2. ^ a b ミラー&タウベ,武井訳 (2000), pp.253-254
  3. ^ 『マヤ神話 チラム・バラムの予言』ル・クレジオ原訳・序、望月芳郎訳、新潮社、1981年9月、p.118(「チラム・バラムの予言」原注137)頁。ISBN 978-4-10-515001-3 
  4. ^ a b c Miller & Taube (1993) p.53
  5. ^ ミラー&タウベ,武井訳 (2000), pp.139-140
  6. ^ Miller & Taube (1993) p.53 による
  7. ^ ミラー&タウベ,武井訳 (2000), pp.140-141

参考文献


夜の王 (フクロウ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 05:43 UTC 版)

ミミズクと夜の王」の記事における「夜の王 (フクロウ)」の解説

月の瞳を持つ夜の森絶対的な支配者魔物の住むの王だが元は人間の国の王となるはずだった人。目元から頬に走る入れ墨のような複雑な紋様があり、のような漆黒の翼持っている人間嫌いで、静かで綺麗なところを好む。ミミズクからは「フクロウ」というあだ名呼ばれる

※この「夜の王 (フクロウ)」の解説は、「ミミズクと夜の王」の解説の一部です。
「夜の王 (フクロウ)」を含む「ミミズクと夜の王」の記事については、「ミミズクと夜の王」の概要を参照ください。

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