「赤い尾翼を追え」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 05:46 UTC 版)
「ノースウエスト航空」の記事における「「赤い尾翼を追え」」の解説
かつてパイロットたちの間では「赤い尾翼を追え」(Follow the red tail) という言葉が交わされることがあった。赤い尾翼とは、すなわち赤く塗られたノースウエスト航空機の垂直尾翼のことである。着陸誘導装置などがまだ発達していなかった頃、着陸進入時に悪天候に見舞われて迷ったら、前方でノースウエスト機が着陸態勢を取っていればそれに従えばよい、という意味の教訓である。 なぜノースウエスト機なのかというと、同社のハブ空港はミネアポリスとデトロイトという、アメリカ北部中西部の五大湖沿岸の極めて天候が厳しい土地に位置しており、冬季には湖面から強い北風が吹き込み降雪も多い両空港では、荒天の中での離着陸が日常茶飯事だったからである。その経験から、かつてのノースウエストのパイロットたちは特に天候を見極める技量に長けていたといわれる。また、社内にアメリカ連邦航空局(FAA)公認の気象科を有し、会社が独自に作成した気象情報が提供されていたことも理由の1つである。 コンピュータやエレクトロニクスの進化によって航法や航空管制、そして気象予測が著しく進化した結果、今日では赤い尾翼を追わなくても的確な判断ができるようになったが、それでもこの言葉が使われることが時折ある。アメリカの空港で空港管制官が離陸の順番をパイロットに伝える際に、「ノースウエスト機の後につくように」と言うところを「赤い尾翼を追え」などと言ったりするのがそれである。 そもそも尾翼を赤く塗ったのは、雪の多いミネアポリスとデトロイトで、管制塔から機体が見やすいようにという配慮だったという。2003年にノースウエスト航空はロゴと機体塗装を一新したが、その際も赤い垂直尾翼の伝統だけはしっかり守られている。しかしデルタ航空との合併により、全ての機体がデルタ航空の塗装に変更された。 旧塗装機 新塗装機
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