「観光」化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:05 UTC 版)
男鹿半島には観光用に年中なまはげを体験できる施設「男鹿真山伝承館」がある。また、男鹿地区に限らず秋田県の観光・物産PR活動において歴史的な習わしを超えて活用されており、各地に常設・仮設を問わず立像も設置されるなど、秋田県を象徴する記号にもなっている。「なまはげは未婚男性」というしきたりがある地区出身の既婚男性が、観光行事でなまはげに扮するといった使い分けも行われている。 観光客を楽しませる目的で、なまはげをモチーフとした新たな芸能も創作されている。昭和の高度経済成長期に見られた団体旅行を中心としたレジャーブーム期には「なまはげ踊り」が、平成初頭のバブル景気期にみられたリゾートブーム期には「なまはげ太鼓」が創作された。これらは季節性や地域性の枠を超え、秋田竿灯まつりや様々な物産展などへの参加に留まらず、単独公演も行っている。これらは旧来のなまはげとは異なり、「鬼」化した仮面を被っており、また、藁ではなく、破損しづらい毛糸や麻ひもで作った衣装を着て演舞を行う。 田舎風の飲食店等において、民俗芸能の道具を店内装飾に用いたり、従業員が民俗芸能を実施したりして、誘客につなげたり、客の満足度を上げる例が様々見られる。このようなビジネスモデルを踏襲した秋田県のご当地グルメや特産品をメニューにしている店では、なまはげのお面を店内装飾に用いたり、男鹿地方のなまはげの慣例(男鹿地区出身・在住の未婚男性が担い手となって大晦日か小正月に民家で実施)を踏襲せずに、男女の従業員が「なまはげショー」を店のスケジュールで年中実施したりする例が、男鹿地方以外の秋田県内外でしばしば見られる。
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