「親中派」政権の誕生
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2009年1月20日にアメリカでは親中派と見られる民主党のバラク・オバマ候補が大統領に就任するのに伴い、両国の協力と友好関係の緊密化が期待された。2008年11月8日に中国の胡錦濤国家主席(総書記)とオバマ候補は電話で会談し、大統領選挙の勝利を祝福した。中国側もオバマ候補の勝利に肯定的な反応を示し、特にオバマ候補の気候変動問題に対する前向きな姿勢を称えた。 アメリカのオバマ大統領は米中戦略経済対話の演説で孟子の教えを引用して米中両国の相互理解を促した。オバマ大統領は、同年11月15日~18日にはアジア歴訪日程の半分を費やして初めて訪中して胡錦濤主席(総書記)と会談し、共同声明で米中の戦略的相互信頼の構築と強化を謳い、アメリカではG2(チャイメリカ)という二大大国を意味する言葉が使用され、米中接近が演出された。 またオバマ大統領は会談などで、中国国内の人権問題やチベット、ウイグル(東トルキスタン)、内モンゴルにおける少数民族への弾圧や大量虐殺などへの批判をまったく控え、これらにより、中国側の自制を期待していた。中国はこれに対し、少数民族の抑圧や弾圧を改めないばかりか、南沙問題などで周辺諸国に軍事的恫喝を加えるまでになり、Google事件や、中国における言論弾圧と戦う活動家劉暁波へのノーベル平和賞授与への妨害介入など、国際社会に挑戦する外交を繰り返した。 他方でアメリカ側も台湾への兵器売却の決定、そしてダライ・ラマ14世とオバマとの会談実現などで方向転換しつつあることを示した。
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