「皇太后」か「上皇后」か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 20:46 UTC 版)
「上皇 (天皇退位特例法)」の記事における「「皇太后」か「上皇后」か」の解説
詳細は「上皇后」を参照 「上皇后」(じょうこうごう)も同様に皇室史上初の称号である。皇后は配偶者たる夫の天皇が退位するか、天皇が崩御して未亡人になると「皇太后」(こうたいごう)となる。 直近の例では香淳皇后が昭和天皇の崩御した1989年(昭和64年)1月7日から2000年(平成12年)6月16日に自身が崩御するまで皇太后の身位にあった。皇太后は三后(皇后・皇太后・太皇太后)の身位の1つだが、未亡人の印象が強い「皇太后」という身位を、退位した天皇の配偶者の称号として使用することに対して、不安を覚える者もいた。天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議のメンバーである山内昌之は、次のように述べている。 「 お辞めになった天皇のきさきの称号として、本当は皇太后がふさわしい。しかし、未亡人(配偶者である夫と死別した女性)というイメージが非常に強く、戦後の政府官報の英語版にも「皇太后は夫を亡くした皇后を指す」と書いてある。率直に言って使えないと思った。 」 上記の事情に加えて、天皇の退位が憲政史上初めてであることから「歴史に引っ張られる必要はない。」といった声もあった。現行の皇室典範では、民間出身で婚姻により皇族の身分を取得した女性の称号は、「皇后」・「親王妃(皇太子妃も含む)」・「王妃」など、天皇及び皇位継承権を有する男性皇族(親王・王)の称号と后、妃を組み合わせたものであり、美智子(旧姓:正田)も初の民間出身であることから、それに合わせて有識者会議は、その責任において新たに創作した「上皇后」を用いるべしと最終的に結論を出した。その後、政府の法案に基づく天皇の退位等に関する皇室典範特例法が国会にて可決され、「上皇」と「上皇后」の称号を用いるものと公式に決定された。 2019年(令和元年)5月1日以後、皇太子徳仁親王妃雅子が立后したことに伴い、明仁の皇后であった美智子がその地位にある。
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