淡路島 行政

淡路島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/24 16:50 UTC 版)

行政

地方 近畿地方
都道府県 兵庫県
市町村 淡路市洲本市南あわじ市
総人口 126,980人(2020年10月1日)[19]

兵庫県は地方自治法に基づく支庁として、淡路島全域を管轄する淡路県民局を洲本市に設置している。

1965年昭和40年)以降、洲本市津名郡三原郡の1市10町体制が続いていたが、市町村合併によって、2005年平成17年)1月11日には三原郡4町(緑町三原町西淡町南淡町)が南あわじ市に、同4月1日には津名郡五色町を除く津名郡5町(淡路町北淡町東浦町一宮町津名町)が淡路市となった。残る五色町は2006年(平成18年)2月11日に洲本市と合併し、新たに洲本市となった。これらの合併により現在の淡路島は、北から淡路市・洲本市・南あわじ市の3市体制となっている。淡路島全体で一つの市となる構想や動きもあったが、実現しなかった[20][21][22][23]

衆議院の小選挙区は「兵庫県第9区」(上記3市ならびに明石市)であるほか、兵庫県議会の選挙区は各市ごとの選挙区(それぞれ定数1)である。人口は、昭和30年代には20万人を超えていたが[24]現在では約12万人である。

地域

淡路島の南北に神戸淡路鳴門自動車道が縦断する。島北東部の大阪湾に面する海岸線に沿って国道28号が走り、津名港がある。このうち、南東部の洲本市周辺の洲本平野から南西部の南あわじ市(旧南淡町)へ通じる部分を四国街道と呼ぶ。

島北西部の播磨灘に面する海岸線に沿って、南あわじ市で三原平野西部を縦断する兵庫県道31号福良江井岩屋線が走っている。かつて島内には1922年大正11年)から1966年昭和41年)にかけて洲本と福良をむすぶ淡路交通鉄道線が存在したが、以降は路線バスに置き換えられており、鉄道路線はなくなった。

市外局番島内全域0799であるが、淡路市(津名MA)と洲本市・南あわじ市(洲本MA)との相互通話には市外局番が必要である。MA(単位料金区域)の統合は現在実施されていない(2009年現在、全島でMA統合が実施されたのは2005年6月の佐渡島のみである)。

自動車のナンバープレートは「神戸ナンバー」(神戸運輸監理部兵庫陸運部魚崎庁舎)である。

国防・防災においては、戦後、陸上自衛隊は淡路島の災害派遣・防衛任務を在四国部隊(第13師団第2混成団)が担任していた。1998年の明石海峡大橋の完成後、淡路島の担任部隊は本土と同じ第3師団に移管された。

メディア

1877年に安倍喜平によって淡路新聞が発行された。地域紙としては極めて早い時期に誕生したものといわれており、昭和50年代まで刊行された[3]

島内にコミュニティ放送は無いが、2018年10月よりインターネットラジオエフエム・ギグ淡路島にんぎゃかステーション[25]が開局している。

「10% 都市圏(通勤圏)」

一般的な都市圏の定義については都市圏を参照のこと。

都市雇用圏(10% 通勤圏)の変遷

  • 10% 通勤圏に入っていない自治体は、各統計年の欄で灰色かつ「-」で示す。
自治体
('80)
1980年 1990年 2000年 2005年 2010年 2015年 自治体
(現在)
淡路町 神戸 都市圏 神戸 都市圏 神戸 都市圏 - 洲本 都市圏
143547人
洲本 都市圏
135147人
淡路市
東浦町 - - - -
北淡町 - - - -
一宮町 - - 洲本 都市圏
84436人
-
津名町 - 洲本 都市圏
76523人
-
五色町 - 洲本 都市圏
50030人
洲本市
洲本市 洲本 都市圏
49640人
緑町 - 南あわじ市
三原町 - - - -
西淡町 - - - -
南淡町 - - - -

文化

島内には伝統芸能や農業から生まれた民間信仰、独特の習俗などが多く残っている。ここではその内の一部をリストアップする[26]

伝統芸能

  • 淡路人形浄瑠璃 - 室町時代末期に南あわじ市市三條で始まったとされる。三条八幡神社に発祥の地の碑がある。現在残っている人形座は淡路人形浄瑠璃資料館の市村六之丞座と人形浄瑠璃館(大鳴門橋記念館)の淡路人形座の二つ。また島内の小中高校の各郷土芸能部や淡路人形浄瑠璃青年研究会などが後継団体となって保存している。1976年(昭和51年)国の重要無形民俗文化財に指定。
  • だんじり - 淡路のだんじりは赤い布団を5枚重ねた「布団だんじり」が特徴である。他にも「つかいだんじり」、「投げだんじり」や「舟だんじり」などがあり、他府県からの見物客も多い。
  • 五尺踊り - 縄騒動で処刑された才蔵らの命日、3月23日に南あわじ市の広田八幡宮・大宮寺の「天明志士の碑」の前で奉納される。
  • 阿万の風流大踊小踊 - 南あわじ市阿万上町の亀岡八幡神社に伝わる。大踊は室町時代末期から、小踊は江戸時代中頃から。

民俗信仰

  • 粥占祭 - 洲本市の厳島神社、淡路市一宮多賀の伊弉諾神宮
  • 御田植神事 - 洲本市の栢野森住吉神社、淡路市一宮多賀の伊弉諾神宮。
  • 庚申講 - 島内全域。
  • 社日ッツァン - 民間信仰。淡路市(旧北淡町)。
  • ヤマドッサン - 田の神・山の神・年神である尉と姥をヤマドッサンと呼び、正月9日にお迎えして豊作を祈る。淡路市舟木地区。
  • 団子ころがし - 死者の五七日忌(35日)に団子を山上から谷に向かって投げる供養行事。先山や妙見山、地蔵山、開鏡山、愛宕山など。
  • 芝右衛門狸 - 芝右衛門狸、柴右衛門狸(しばえもんたぬき、しばえもんだぬき)、日本三名狸に数えられている。

スポーツイベント


注釈

  1. ^ 地域団体商標登録済み
  2. ^ 第二次世界大戦終結まではこのほかに沖縄県沖縄本島など。また南大東島のものは戦後も1983年(昭和58年)まで運行。→沖縄県の鉄道を参照)、そして外地と呼ばれた太平洋戦争前の日本領である台湾樺太がある。
  3. ^ 本作の予告に淡路島でロケしたことが紹介されている。

出典

  1. ^ 島面積 平成26年10月1日時点 (PDF) 国土地理院
  2. ^ 日本の主な山岳標高 - 国土地理院
  3. ^ a b c d e 田畑暁生「淡路島における市町村合併と地域情報化政策」『神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要』第7巻第1号、神戸大学大学院人間発達環境学研究科、2013年9月、51-61頁、doi:10.24546/81005361ISSN 1882-2851NAID 110009632655 
  4. ^ 淡路(あわじ):3市 人口:124,921人(兵庫県推計人口 令和4年4月1日現在)
  5. ^ 『瀬戸内海の旅』(現代教養文庫)1961年10月31日発行
  6. ^ 「西浦」改め「西海岸」!? 淡路島の農漁村エリアがおしゃれリゾート地に進化中”. 神戸新聞NEXT (2021年7月28日). 2021年11月30日閲覧。
  7. ^ バルニバービが淡路島でエリア開発をするワケ。淡路島西海岸沿いエリア開発プロジェクト「AWAJI NORTH WEST」がいよいよ始動”. prtimes story. 2021年11月30日閲覧。
  8. ^ a b c d e 兵庫県南部地震に伴う淡路島北部地域の地形変化”. 国土地理院 (1995年). 2010年12月7日閲覧。
  9. ^ 国立天文台(編) 平成19年 理科年表 p.565 ISBN 4621077635 - ただし本土4島を除く。
  10. ^ 福家徹也「ため池の周辺土地利用の変遷と推移の関係性について : 香川県高松市の事例研究」『KGPS review : Kwansei Gakuin policy studies review』第19巻、2013年3月、31-34頁、hdl:10236/10968CRID 10505642884293679362023年6月8日閲覧 
  11. ^ 洲本川水系河川整備計画(案)”. 兵庫県 (2008年11月). 2010年12月9日閲覧。 (PDF, 3.42MiB)
  12. ^ a b c d e 淡路地域農林水産ビジョン”. 兵庫県淡路県民局 (2006年3月). 2010年12月9日閲覧。 (PDF, 7.28MiB)
  13. ^ 事業について”. 淡路広域水道企業団 (2005年). 2010年12月17日閲覧。 (PDF, 454KiB)
  14. ^ 20万分の1土地分類基本調査及び土地保全基本調査 > 兵庫県 地形分類図”. 国土交通省 土地・水資源局 国土調査課. 2010年12月12日閲覧。
  15. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細
  16. ^ 伊東ひとみ『地名の謎を解く』新潮社、2017年、10頁
  17. ^ 「淡路島で七千戸以上が浸水」『朝日新聞』昭和45(1970年)9月17日朝刊、14版、15面
  18. ^ 理科年表(2022年)「日本付近のおもな被害地震年代表」
  19. ^ 国勢調査による。淡路市41,967人、洲本市41,236人、南あわじ市43,777人(ただし沼島の人口360人を差し引いた。)
  20. ^ 拝啓 淡路島合併論にご関心の皆さんへ
  21. ^ 淡路島一市フォーラム~淡路は一つ 未来の淡路島のために~
  22. ^ 洲本市議会議員、広田恵三の「洲本市」を考えるブログ
  23. ^ 淡路市長 門康彦ブログ「淡路島一市について。」
  24. ^ 淡路島の総人口推移
  25. ^ fmGIG淡路島にんぎゃかSTATION
  26. ^ 淡路の伝統芸能と文化”. 兵庫県淡路県民局・兵庫県立淡路文化会館 (2004年3月). 2010年12月14日閲覧。 (PDF, 4.28MiB)
  27. ^ 淡路国生みマラソン
  28. ^ すもとマラソン
  29. ^ 淡路島ロングライド
  30. ^ 淡路島の特産品”. 淡路島観光協会. 2010年12月8日閲覧。
  31. ^ 徳島空港発着路線はみなと観光バス (南あわじ市)
  32. ^ “100トン級高速旅客船 15年夏、明石‐淡路間に就航へ”. 神戸新聞NEXT. (2014年1月20日). http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201401/0006650819.shtml 2015年6月24日閲覧。 
  33. ^ “新高速船「まりん・あわじ」、125cc以下のバイク積載OK”. 産経ニュース. (2015年6月19日). https://www.sankei.com/article/20150619-YIYRIGQM7JJW5GL42OOME57EFE/ 2015年6月24日閲覧。 
  34. ^ 宮武和多哉 (2022年11月6日). “「四国新幹線」予定地を自転車道に? 大鳴門橋の「鉄道のための空間」なぜ残っていたか”. 乗りものニュース. https://trafficnews.jp/post/122690/3 2023年10月15日閲覧。 
  35. ^ 南あわじ市公式サイト「淡路島日本遺産RPG「はじまりの島」」 - 2019年4月6日リリース(AndroidiOSスマートフォン向けアプリ)






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