東京を中心とする地域の定義一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/26 03:28 UTC 版)
経済的定義
東京の都市圏の範囲として、都市圏の広がりとともに様々な都市計画や統計等で規定されている各種の定義を下記に示す。
関東大都市圏
国勢調査や住宅・土地統計調査の結果で用いられる統計上の地域区分の1つ。
「大都市圏」は1960年の国勢調査で初めて設定され、1975年の国勢調査以来の定義は、東京都特別区部及び政令指定都市からなる「中心市」と、中心市への15歳以上通勤・通学者数が常住人口に占める割合が1.5%以上かつ中心市と連接している市町村、及びこれらの市町村に囲まれている市町村からなる「周辺市町村」とを併せた地域である。
中心市どうしが互いに近接している場合にはこれらを統合して1つの大都市圏として扱うため、東京周辺の大都市圏の中心市は、1975年~1990年の国勢調査においては東京特別区部・横浜市・川崎市であり、1995年国勢調査以降はこれに千葉市が、2005年国勢調査以降はさいたま市が、2010年国勢調査以降は相模原市が加わった。
これに伴い、大都市圏の名称も「京浜大都市圏」→「京浜葉大都市圏」→「関東大都市圏」と変遷している[1]。
2015年国勢調査による関東大都市圏は、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県・静岡県の1都8県にまたがる23特別区・132市55町5村で構成される。
- 関東大都市圏の人口 : 37,273,866人(2015年)[2]
年 | 名称 | 人口 (人) |
面積 (km2) |
人口密度 (人/km2) |
中心市の数 |
---|---|---|---|---|---|
1960年 | 京浜大都市圏 | 16,843,789 | |||
1965年 | 20,485,542 | 9,682 | 2,116 | 3 | |
1970年 | 23,457,133 | 9,867 | 2,378 | 3 | |
1975年 | 26,793,768 | 10,734 | 2,496 | 3 | |
1980年 | 28,644,523 | 10,626 | 2,696 | 3 | |
1985年 | 30,394,532 | 10,851 | 2,801 | 3 | |
1990年 | 京浜葉大都市圏 | 32,647,473 | 12,933 | 2,524 | 4 |
1995年 | 33,637,175 | 13,565 | 2,480 | 4 | |
2000年 | 関東大都市圏 | 34,607,069 | 13,759 | 2,515 | 7 |
2005年 | 35,682,460 | 13,572 | 2,629 | 5 | |
2010年 | 36,923,193 | 14,034 | 2,631 | 6 | |
2015年 | 37,273,866 | 14,034 | 2,656 | 6 | |
2020年 | 38,034,418 | 13,560 | 2,804 | 6 |
東京都市圏
都市雇用圏による1都3県。都市雇用圏は金本良嗣・徳岡一幸が考案した、雇用を基準とする都市圏の定義。
規定の条件を満たす中心都市(群)への通勤率が10パーセント以上の市町村を(1次)郊外市町村とし、郊外市町村への通勤率が10パーセント以上の市町村を2次以降の郊外市町村とする[7]。都市雇用圏の定義による東京都市圏を構成する市町村として1980年国勢調査の基準では東京都区部、横浜市、川崎市、千葉市、立川市を中心市と定めている。その後、武蔵野市を含む[注 1]。
2000年代に入ると都市の範囲はさらに郊外市町村へと広がり、2005年国勢調査には埼玉県の旧大宮市と旧浦和市、旧与野市の合併により誕生したさいたま市を、その後、厚木市を中心市として含む。
2015年国勢調査の基準では、東京都区部、横浜市、川崎市、千葉市、立川市と、さらに武蔵野市、さいたま市、厚木市を含む中心市に105市35町3村の郊外市町村を合わせた範囲を東京都市圏とし、人口は35,303,778人である[8]。
詳しい範囲は「都市雇用圏に含まれる市町村」を参照。
- 東京都市圏の人口 : 34,498,979人(2010年)[9]
東京圏
- 東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県及び茨城県の各一部
多極分散型国土形成促進法による区域。多極分散型国土形成促進法及び関連法令においては、「東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県及び茨城県の区域のうち、東京都区部及びこれと社会的経済的に一体である政令で定める広域」を東京圏と定義している。この東京圏に含まれるのは、首都圏整備法上の既成市街地及び近郊整備地帯と、これに加えて同法上の都市開発区域のうち土浦市、つくば市、熊谷市、深谷市などの区域である。
首都圏(1都7県)
既成市街地及び近郊整備地帯、首都圏整備法による1都7県。首都圏整備法及び関連法令においては、「東京都及びこれと連接する枢要な都市を含む区域のうち、産業及び人口の過度の集中を防止し、かつ、都市の機能の維持及び増進を図る必要がある市街地の区域」を「既成市街地」、「既成市街地」の近郊を「近郊整備地帯」と定義している。この既成市街地及び近郊整備地帯は、国土交通省による地価関連の統計では東京圏と定義されている[10]。また、全く同一の範囲が首都圏と呼ばれている場合もある[11]。
距離的定義
東京50キロ圏(運輸政策審議会)
- 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の各一部
運輸大臣の諮問機関である運輸政策審議会は、運輸政策審議会答申第18号において、東京圏における鉄道整備計画を提示している。この計画の対象地域は「東京都心部を中心とする概ね半径50キロメートルの範囲」であった。なお、運輸政策審議会は2001年に廃止され、現在は交通政策審議会に役割を移管している。
東京70キロ圏(国勢調査)
- 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県のほぼ全域と、茨城県の南部、栃木県、群馬県、山梨県の各一部
国勢調査では、東京都千代田区の旧東京都庁舎(現在の東京国際フォーラム)を中心点として幅10キロメートル刻みに同心円状の距離帯を設け、それぞれの距離帯に含まれる市町村を単位として、各種の集計を提示している。東京70キロ圏には、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県のほぼ全域と、茨城県の南部、栃木県、群馬県、山梨県の各一部が含まれる。大阪圏や名古屋圏も同様な距離圏の設定があり、各市の市役所を中心点とする50キロ圏を範囲としている。これらとの比較の際には東京でも50キロ圏を用いることがある[12]。
- 東京70キロ圏人口 : 34,394,178人(2000年)
注釈
出典
- ^ 平成27年国勢調査「国勢調査の結果で用いる用語の解説」
- ^ 平成27年国勢調査 我が国人口・世帯の概観 - 大都市圏・都市圏の人口 (PDF)
- ^ 総務省統計局『大都市圏の人口』日本統計協会〈平成17年国勢調査人口概観シリーズ, no.9〉、2009年、470-475頁。ISBN 9784822335779。
- ^ 2010:“平成22年国勢調査 我が国人口・世帯の概観 - 表1-28 大都市圏・都市圏別人口、面積及び人口密度” (PDF). p. 35. 2018年9月26日閲覧。
- ^ 2015:“平成27年国勢調査 我が国人口・世帯の概観 - 表1-28 人口、面積及び人口密度 - 大都市圏・都市圏” (PDF). p. 32. 2018年9月18日閲覧。
- ^ 2020:“令和2年国勢調査 - 表1-3 男女別人口,世帯の種類別世帯数及び世帯人員並びに2015年(平成27年)の人口(組替),2015年(平成27年)の世帯数(組替),5年間の人口増減数,5年間の人口増減率,5年間の世帯増減数,5年間の世帯増減率,人口性比,面積(参考)及び人口密度-大都市圏” (XLS). 2023年1月4日閲覧。
- ^ 日本の都市圏設定基準
- ^ 金本良嗣. “都市雇用圏コード表”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2018年12月25日閲覧。
- ^ a b c “地域経済分析”. 経済産業省. 2015年4月11日閲覧。
- ^ 地価情報等(記者発表資料)
- ^ 例えば、首都圏の自然環境の基本目標 国土交通省
- ^ 平成17年国勢調査 総務省
- ^ 首都圏整備に関する年次報告(首都圏白書)
- ^ 例えば厚生労働白書
- ^ 『首都圏における広域的課題の現状』
- ^ 首都圏広域防災拠点整備協議会
- ^ 例えば厚生労働省、内閣府
- ^ 九都県市首脳会議公式ホームページ
- ^ 例えば環境省
- ^ 総務省、財務省、厚生労働省、文部科学省、公正取引委員会など
- ^ 「首都圏広域地方計画における首都圏とは」 首都圏広域地方計画推進室
- ^ 首都圏エリア|利用可能エリア|Suica:JR東日本
- ^ a b 金本良嗣. “2010年 大都市雇用圏統計データ”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2016年11月12日閲覧。
- ^ “平成26年度総合調査研究(地域経済の将来動向分析に関する調査研究)”. 経済産業省. 2016年11月6日閲覧。
- 1 東京を中心とする地域の定義一覧とは
- 2 東京を中心とする地域の定義一覧の概要
- 3 1都3県
- 4 1都6県以上を含む定義
- 5 都市雇用圏に含まれる市町村
- 6 脚注
- 東京を中心とする地域の定義一覧のページへのリンク