川口淳一郎 川口淳一郎の概要

川口淳一郎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/22 22:27 UTC 版)

川口 淳一郎
かわぐち じゅんいちろう
「航空機産業しごとフェア」での
講演に際して撮影された写真
生誕 (1955-09-24) 1955年9月24日(67歳)
青森県弘前市
国籍 日本
教育京都大学工学部卒業
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了
業績
専門分野 宇宙工学
勤務先 宇宙科学研究所
成果 のぞみ軌道計画考案
はやぶさの軌道計画考案
受賞歴 計測自動制御学会技術賞(1987年
日経BP賞(1991年
NASA Group Achievement Award(1993年
日本航空宇宙学会技術賞(2004年2006年
National Space Society Space Pioneer Award(2006年)
科学技術分野文部科学大臣表彰2007年
弘前市民栄誉賞(2010年
NEC C&C財団25周年記念賞(2010年)
東奥賞(2010年)
財界賞特別賞(2010年)
日本イノベーター大賞(2010年)
ベスト・ファーザー イエローリボン賞2011年
宇宙功労賞(2012年

宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系教授、宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系研究主幹、宇宙科学研究所深宇宙探査センターセンター長、独立行政法人宇宙航空研究開発機構シニアフェロー、内閣官房宇宙開発戦略本部事務局局長などを歴任した。

概要

青森県弘前市出身。宇宙工学者である。特に制御システム論や応用飛行力学といった分野を専攻する。アストロダイナミクス、軌道力学、姿勢・軌道制御、航法・軌道決定論、惑星探査ミッション解析、システム制御論などの研究に従事した。宇宙科学研究所にて助手助教授を経て教授に就任し、宇宙航行システム研究系の研究主幹や深宇宙探査センターのセンター長など要職を歴任。さらに、宇宙科学研究所を設置・運営する宇宙航空研究開発機構においては、シニアフェローを務めた。そのほか、内閣官房宇宙開発戦略本部事務局にて局長を務めた。

来歴

生い立ち

青森県弘前市生まれ。1974年青森県立弘前高等学校を卒業後、京都大学工学部機械工学科に進む。京都大学卒業後に東京大学大学院工学系研究科航空学専攻に進学した。

研究者として

2010年10月1日国際宇宙会議にてデニス・モウラ(左)と

1983年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、文部省宇宙科学研究所助手として着任し、1988年助教授就任を経て2000年教授に就任した。

その後、宇宙科学研究所は、文部省から文部科学省を経て宇宙航空研究開発機構に移管された。宇宙科学研究所 (ISAS/JAXA) においては、宇宙航行システム研究系の教授を務め、研究主幹にも就任した。また、宇宙科学研究所の深宇宙探査センターにてセンター長も兼務した。月・惑星探査プログラムグループ (JSPEC/JAXA) においては、月・惑星探査推進ディレクターを務めた。2011年8月、宇宙科学研究所を設置・運営する宇宙航空研究開発機構にて、シニアフェローとなった[1]

また、2012年から2014年にかけて、内閣官房宇宙開発戦略本部事務局にて局長を務めた。そのほか、宇宙開発委員会の専門委員や、日本学術会議の連携委員などを務めた。

研究・業績

2016年、「航空機産業しごとフェア」で展示された「はやぶさ」の模型の前で

専門は工学、特に制御システム論や応用飛行力学といった分野の研究を手掛ける[2]

宇宙科学研究所において「さきがけ」「すいせい」「ひてん」「GEOTAIL」「のぞみ」「はやぶさ」「IKAROS」などの科学衛星ミッションに携わり、「はやぶさ」ではプロジェクトマネージャを務めていた。「のぞみ」ミッションにおいて探査機の重量制限緩和の為に二重月スイングバイと地球パワースイングバイを併用した軌道を提案し、また、主推進器の逆止弁の故障によってパワースイングバイを行えなかった際の救出ミッションにおいて、二重地球スイングバイを考案している。また、「はやぶさ」ミッションにおいては電気推進の特性を生かした「EDVEGA」と呼ばれる航法を考案した。現在はソーラーセイルを用いた惑星探査に関する研究を行っており、「IKAROS」ミッションは川口研究室が中心となって実現した。

科学衛星ミッション以外にもロケット等の姿勢・誘導制御について研究を行っており、「M-3SIIロケット」「HIMES」「M-Vロケット」「SS-520ロケット」などに携わった。

2003年には、本人に因んで小惑星の一つに「川口淳」という名が与えられた。

学術団体としては、日本航空宇宙学会、米国航空宇宙学会 (AIAA)、計測自動制御学会システム制御情報学会日本惑星科学会などに所属している。




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