語源と用語
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語源 英語の"mortar"(モーター)は、乳鉢や擂鉢(すりばち)など臼状のものを意味する仏語の"mortier"から派生しており、臼砲(きゅうほう)を指すのはそのため。幕末の日本では「モルチール(砲)」と称された。建築材料のモルタルもスペル・発音ともに同じで、「練って混ぜる」ことからラテン語の"mortarium"(乳鉢の意)に由来しており語源は同じである。 臼砲 初期の射石砲"bombard"は素材の強度不足から著しく肉厚で短い砲身をしており、その外観は臼のようであった。近世に入り野戦での平射を主目的とする初期の野砲"howitzer"が出現すると、これと区別するために従来型の短砲身砲は臼砲"mortar"と呼ばれるようになる(当時、"bombard"という用語は火砲全般を指した)。 近世を通じて火砲は徐々に進化し、特に産業革命が起こった近代以降は冶金・鋳造技術の発達で臼砲も大口径・長砲身化が進む。しかし、砲の外観が変化してからも、大きな仰角を取って低い初速で射撃する砲は引き続き"mortar"=臼砲と呼ばれた。駐退復座機や平衡機が発明されていなかった頃の大型砲の多くは、迫撃砲と同様に射撃時の反動を地面に吸収させる方式を採用している。 迫撃砲 臼砲は一時期廃れていたが、日露戦争から第一次世界大戦にかけて塹壕戦や要塞戦が本格化すると、射程は短くとも威力の大きな臼砲の需要が増し、再び多数の臼砲が作られた。この中には従来とは逆に軽量・小型化を追求した砲もあり、ここから発展したものが現代の迫撃砲である。 以上のように、歴史上の経緯から"mortar"という単語は臼砲・迫撃砲の両方を指す。ただし、現代では単に"mortar"と称した場合は本稿の主題である近現代型の迫撃砲を指す。また、臼砲と明確に区別するため、"infantry mortar"あるいは"modern mortar"と表記することもある。
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語源と用語
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「デーモン (ソフトウェア)」の記事における「語源と用語」の解説
daemon(守護神)とはギリシャ神話に登場し、神々が煩わされたくないと考えた雑事を処理した存在である。同様にコンピュータのデーモンもユーザーが煩わされたくないタスクをバックグラウンドで実行する。 フェルナンド・J・コルバトによれば、MITのProject MACで働いていた1963年、彼のチームがデーモン (daemon) という用語を初めて使ったという。分子をより分けてくれるという物理学や熱力学の空想上の存在であるマクスウェルの悪魔 (Maxwell's demon) が発想の元となっている。 我々は気まぐれに、システムの雑用をこなしてくれるバックグラウンドプロセスを「デーモン」と呼び始めた。 UNIXシステムがその用語を受け継いだ。BSDとその派生OSはデーモンをマスコットとしている。このマスコットはキリスト教によく見られる悪魔 (demon) の姿をしている。欧米では、"demon" と綴ることも多い。どちらも発音は同じで、カタカナ表記すると「ディーマン」「ディーモン」が近い。 一般的意味でのdaemonはdemonの古い綴りであり、ギリシア語のδαίμωνに由来する。Unix System Administration Handbook でEvi Nemethは次のように記している。 多くの人々が "daemon" という語と "demon" という語を同等視しており、UNIXと冥界の間にある種の悪魔的関係があるように感じている。これは言語道断な誤りである。"daemon" は実際には "demon" のより古い形であり、daemon自体には善または悪への特定の偏向の意味はなく、むしろ個人の性格や個性を説明付ける役割を担っていた。古代ギリシアにおける「個人的daemon」の概念は現代の守護天使に近く、eudaemonia は親切な精霊によって助けられたり保護されたりしている状態を意味する。現実にはUNIXシステムではdaemonとdemonの両方が横行しているようだ。(p.403) 神話的象徴としてのさらなる説明をすれば、daemonは目には見えないが常に側にいて、その意志を働かせている何ものかである。プラトンの著作で、ソクラテスは自身の個人的daemonを現代的な道徳的良心のような概念として説明している。 神の好意は私に信じられない贈り物を与え、それは幼少期以来一度も私から離れたことがない。それは声であり、その声が聞こえてくるとき、私がしようとしていることを阻止しようとし、決してそれを私に勧めない。 —Character of Socrates in "Theages", Plato デーモンと同様の意味で使われている用語としては、サービス (Windows NT)、サブシステム (IBM z/OS)、サーバ・バーチャル・マシン (IBM VM)、ゴーストジョブ (XDS UTS) などがある。
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語源と用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 08:36 UTC 版)
英語で初めて「data」という単語が使われたのは1640年代である。1946年に「データ」という言葉が「伝達可能で保存可能なコンピュータ情報」という意味で初めて使われた。「データ処理」(data processing)という表現が初めて使われたのは1954年である。 英語の「data」は、「datum」の複数形で、ラテン語・イタリア語の dare(ダーレ、「与える」)を語源とする。英語では、dataはこの意味で複数名詞として使われることがあり、特に20世紀や21世紀の多くでは、自然科学、生命科学、社会科学に携わる作家は datum を単数形で、 data を複数形で使っている(たとえば、APAスタイル(第7版)ではまだ data は複数形が要求されている)。しかし、日常会話、ソフトウェア開発、コンピュータサイエンスの世界では、data は不可算名詞として単数形で使われることがほとんどである(sand(砂)やrain(雨)のように)。ビッグデータ(big data)という用語は単数形をとっている。 中国語では「資料」(ツーリャオ)または「數據」(シューチー)ともいう。
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