百の勇者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/01 12:23 UTC 版)
ライデン評議会のアイシグ議長の呼びかけに応じて、ロードス全土で自発的に魔神との戦いを始めた人々の総称。その性格から基本的に自発的意思で「百の勇者」と名乗った者は、その時点で全て「百の勇者」の一員となる。後にモスで結成された「勇者隊」に参加した人数は2万人弱であるが、モスに到達する前に倒れた者や、一度は戦いを決意したものの途中で挫折した者、自称しただけの者などを全て合わせると、その数倍に達する。 百の勇者や六英雄も参照のこと。 なお最も狭い意味として、「勇者隊」から選抜され「最も深き迷宮」に挑んだ凡そ500名を指す場合もある。 ナシェル モスの小国スカード王国の王子。魔神出現後は母方の縁戚であるハイランドに身を寄せ、風竜ワールウィンドを駆る竜騎士へと成長。「百の勇者」を率い、魔神と対決する道を歩む。 ハイランドの第一王女ラフィニア姫と結婚。(正式にはまだ婚姻はしていないが、姫の父王マイセンも既に認めている。) 光と闇、天と地、文と武。それぞれの象徴のような人物たちに支えられ、鍛えられ、ロードス島の統一という大きな夢を託されていく。 六英雄 魔神王との最後の戦いで生き残った、ファーン、ベルド、ウォート、ニース、フレーベ、名もなき魔法戦士の6人。 フラウス 「ファリスの聖女」と呼ばれる至高神ファリスの神官戦士。 魔神の実態を探るべくファーンと共にモス公国に赴き、帰り道の自由貿易都市ライデンで「赤毛の傭兵」ベルドと運命の出会いを果たす。彼こそがファリスの神託にあった「闇に閉ざされし英雄」だと確信し、ベルドの心の闇を払うべく以後行動を共にする。「六英雄」と共に「最も深き迷宮」の最下層まで辿り着き、魔神王と対決した。 フロイとリーゼン ハイランドの双子の王子。皇太子ジェスターの弟で、ナシェルの従弟。フロイが兄でリーゼンが弟。自国に対する「魔神の同盟国」との誹謗を払拭するため、当時ハイランドを訪れていた「白き騎士」ファーンに同行してライデンに向かい、魔神との戦いを始める。以後ロードス各地で魔神と戦い、眉目秀麗な「双子の王子」としての話題性やユーリーの歌の波及効果もあり、ベルドと並ぶ最も有名な「百の勇者」となる。 王族とは思えないぐらい陽気で闊達な性格だが、決して思慮が浅いわけではない。ハイランドを出たのも、兄ジェスターの後継者としての地位を保証するためという意味合いが強く、魔神との戦いに関係なく国を捨てる覚悟はできていた。そのため「百の勇者」としてモス国内に集結した当初は、名乗り出ることを避けて野宿する羽目になったこともある。後にナシェルの離宮に集うベルドやファーン達と合流し、ナシェル亡き後はその後を継いで勇者隊を二つに分け、将軍としてまとめた。 「最も深き迷宮」の戦いではユーリーやハイランドの騎士出身者を率いて先陣を切り、第九階層を唯一生き抜いたパーティとなる。負傷しながらも後続の六英雄たちを最下層(第十階層)へ導いた後は、歴史から姿を消してアレクラスト大陸へ渡ろうと考えていたが、地上に戻る途中で魔神の群れに遭遇、以後の消息は語られていない。この戦いで死亡したとも、生き延びて大陸に渡ったとも語られている。 ユーリー 双子の王子フロイとリーゼンの魔神退治に同行していた吟遊詩人。フロイとリーゼンの活躍を歌にしてロードス中に広め、結果的に「百の勇者」の宣伝役を務めた。 精霊使いにして剣の心得もある精霊剣士としての面もあり、フロイとリーゼンはモス公国内のいずれかの王子で、双子の王子と似たような理由で出奔したのではないかと推測していたが、あえてそれを確認することはなかった。「最も深き迷宮」の第九階層までを生き抜き、双子の王子と共に消息を絶った。 カノンの自由騎士 名前は不明。剣の腕前は「百の勇者」の中でも最高クラスで、体力面ではやや劣るものの技術面ではナシェルを凌ぎ、意志力も強靭。「六英雄」ベルドやファーンに次ぐ実力者と思われる。元カノン王国の下級騎士(地方領主)であったが、形骸化を露呈し、国民を守ることが出来ない騎士団に見切りをつけて「百の勇者」に加わる。「頭」をリーダーとする彼のグループは、二人の魔法使い(「精霊使いの老エルフ」と「マイリーの神官戦士」)を含むバランスの取れた冒険者編成で、無名ながら何体もの上位魔神を葬った「百の勇者」の中でもトップクラスのグループ。若年の戦士2名を除いた4名で「最も深き迷宮」の戦いに挑み、最大の激戦となった第八階層まで到達するも、第九階層で彼らの姿を見ることは出来なかった(第九階層に到達したのは、六英雄を除くと3隊のみで、「双子の王子」の隊以外の2隊は第九階層で全滅)。 頭(かしら) 傭兵を生業としていた戦士。太め、髭面の男で、「百の勇者」の仲間に「騎士志願の若者二人」を誘いに故国カノンを訪れて、「カノンの自由騎士」が「百の勇者」となるきっかけとなる。剣技や器量では明らかに「カノンの自由騎士」に数段劣っていたが、自由騎士当人が表に出たがらないこともあって、発起人であり世俗的な経験の豊富な彼がリーダーを務めた。 その力量に比して少々我意の強い性格であったが、魔神との戦いの中で戦士としてもリーダーとしても成長を遂げ、最後は「カノンの自由騎士」や「マイリーの神官戦士」も認めるほどの人物となっていた。 名前は不明で、「頭」は「カノンの自由騎士」がそう呼んでいたことによる。 老エルフ 齢1000歳を超えるエルフの精霊使い。「カノンの自由騎士」が領主として治めていた地方にある森に住むエルフ族の長老で、過去に妖魔に襲われた時に領主一族に恩義を受けていた事から、「カノンの自由騎士」を助けるために派遣された。 ルシーダ モス北部「鏡の森」のエルフ族の精霊使い。女性。魔神に略奪された古代樹「聖なる黄金樹」を奪還するため、「鏡の森」を出て各地で魔神との戦いを始めたエルフ達の一人。自由都市ライデンでベルトに同行して魔神将率いる魔神達と戦う。ベルドに思慕を抱いていたが、復活した魔神将に殺された。 「聖者」と呼ばれる男 何らかの神の神官でもなく、いかなる種類の魔法も使えないが、なぜか鏡像魔神(ドッペルゲンガー)と人間を見分けることが出来た人物。本人は自分のことを、ロードスの意思に導かれている聖者だと考えており、信者も少なからず居る。「百の勇者」に加わった時には近衛のハサラ以下100人を超える従者たちの集団を率いていた。 人物的には俗物でしかなく、英雄性を感じさせる人物でないが、その能力ゆえに百の勇者の首脳の一人として扱われ、ハイランド王城の魔神王の出現の際も生き延びた。 ヴェノンとの密約によって旧「石の王国」における大隧道の戦いに参加するも、戦いの最中に魔神王の幻術によって配下の戦士達と切り離され、ひとりの所をニースの姿に化けた魔神王に連れ出される。そして、己に関する真実を告げられ、慟哭と共に最期を遂げた。 実は自分が人間であると思い込んでいた鏡像魔神(ドッペルゲンガー)でありダブラブルグの上位種。目鼻がなく3メートルの巨体を持つ魔神であり見た相手そっくりの姿形に変身し相手の脳を食べることで記憶を写し取ることができる鏡像魔神の能力をもつ。(脳を食べなくても1時間の対象観察をすれば記憶をコピーは可能。)。この能力により相手の性格や感情などにも模写してしまったため「人間に味方したり」「自分を人間と思いこんでしまう」ケースの一例であった。この諸刃の剣の側面がある能力により、「ロードスの意思に導かれ鏡像魔神(ドッペルゲンガー)と人間を見分けることが出来る人間」と思い込んでしまっていただけであった。 ハサラ 高い実力を持つ戦士で、「聖者」の熱心な信奉者。
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百の勇者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/06 14:03 UTC 版)
こうした状況下で魔術師ウォートは旧知のライデン評議会に働きかけて、「魔神の首」に賞金を懸けロードス全土に「百の勇者」を呼びかける。まず「赤髪の傭兵」ベルドがライデンに出没していた魔神将を倒し、魔神殺し(デーモンスレーヤー)として名を挙げる。更にアラニアの「賢者の学院」や幸運神チャ・ザや知識神ラーダの教団も追従して「魔神の首」に賞金を懸ける。戦神マイリーの教団も「百の勇者」を積極的に支援すると宣言し、国家の対応に限界を感じていた多くの人々がこれに呼応し、ロードス全土で騎士・冒険者・傭兵、果ては農民や商人・盗賊にいたるまで、さまざまな身分の人々が自発的に武器を手に魔神との戦いを始める。 そんな中で亡国の王子で、密かに縁戚ハイランドの庇護の元で竜騎士となったナシェルは、乱れたモス公国内で独り魔族との戦いを続けて、次第に魔神との戦いの象徴として「天空の騎士」と称えられるようになる。 ロードス各地で魔神と戦い、既存の社会体制との摩擦が大きくなってきた「百の勇者」はモス公国に誘導され、ナシェルの元で義勇軍「勇者隊」として組織化され、ようやく成ったモス連合騎士団と共に魔神との戦いを開始する。盟主だったナシェルが実は魔神の王(ブルーク王、また魔神王自身は依り代となったナシェルの妹リィーナ姫の姿をしている)に連なる者であることが名もなき魔法戦士によって明らかにされ、ナシェルが将軍職を解任・行方不明になるという事件が発生するものの、終に「百の勇者」は魔神の本拠地「最も深き迷宮」に突入し、最下層にて魔神王を討ち果たした。 なお、「百の勇者」とはあくまでも魔神と戦う志を持った多数の勇者の総称であり、実際に集まった勇者の数は万単位になっていた。
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