戦術鬼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:21 UTC 版)
零式防衛術や強化外骨格と同様に、大戦中に日本軍の戦力として葉隠四郎が開発していた改造人間。人間を捕食し、その骨髄液をエネルギー源としている。 人間のときに持っていた歪んだエゴイズム(本人はそれをエゴであることを自覚していない)を増幅され、これを具現化した怪物じみた醜い容姿をしている。これに対し、他者を犠牲にするような強烈なエゴのない善良な人間は改造されても戦術鬼にならず、無力な「肉虫」になってしまい、ガラン城の外に捨てられる。散が人類抹殺の戦力として採用し、世界中に放って多くの犠牲者を出していた。居城であるガラン城には数千体が格納されているという。 破夢子(はむこ) 声 - 勝生真沙子 ボンデージに身を包んだ肥満女性の戦術鬼。巨体から繰り出す怪力と口から吐き出す熱線が武器である。愛し合う男女を見つけては嫉妬し、女性を殺害して男性を連れ去る。彼女にとっての愛とは「二人が一つになること」であり、男性を食べてしまうことによってその「愛」を叶えようとする。 冒頭で逆十字学園の生徒であるカップルを殺害し、さらに下校中の覇岡、罪子らを襲うが、彼らを助けに来た覚悟と戦うことになる。自慢の怪力も零式防衛術の前には通用せず、最後には突進してきたところを「零式因果直蹴」を受け、頭部を破壊されて死亡。覚悟が最初に倒した戦術鬼である。 永吉(えいきち) 声 - 青野武 覚悟の生存を知った散が、刺客として逆十字学園に送った戦術鬼。齢90を超える老体だがその戦闘力は健在で、空気に触れると瞬時に凝固する唾液などを飛ばし、弾丸のような武器とする(超凝結唾液弾)。また、「息子(せがれ)」と呼ぶ股間の器官より同じく弾丸と化した唾液を吹き出したり、相手に巻きついて締め上げたり、球状部分から閃光を放ったりして攻撃する。 「長生きの秘訣は若者を殺すこと」だとして、逆十字学園でも武装風紀委員を殺害。さらに罪子を襲ったり、覇岡を負傷させたりと暴れ、覚悟の怒りに触れる。覚悟との戦いでは股間の息子を引きちぎられて戦意喪失するが、戦術鬼に認識(精神)を送って操作する散の「鬼我一体」により、散の分身となって戦う。しかし股間の出血によりコントロールを受けたまま絶命し、死後硬直によって動きが鈍ったところを倒された。なお、このとき認識を直結していた散も大きなダメージを受け、以後しばらくの間は意識不明となった。 毒魔愚郎(どくまぐろ) 声 - 置鮎龍太郎 17メートルの巨体を持つ戦術鬼。ロックを愛し個性を抑制するものを憎むが、その行動は単なる秩序の破壊に過ぎない。口には花に似た形の器官があり、ここにある口でしゃべったり人間を食べたりすることが可能。体内に発電器官を有し、大音量の歌声は破壊音波となる。 伸びる舌で覚悟を捕え、周囲に叩き付けながら13万ボルトもの電撃を浴びせて攻撃したが、超振動によって体中の骨を砕かれる。さらに超脱水鱗粉によって体中の水分を奪われ、粉末となって風に散った。 恵魅(めぐみ) 声 - 宮村優子 普段のナース服を着た愛らしく非常に肉感的な女性だが、正体は胴体に巨大な顔が付いた怪物で軟体性の体はあらゆる打撃を吸収し、たとえ切断されてもすぐに接合する再生力を持つ。人間に擬態する能力で相手を油断させ、口から吐き出す桃色の蒸気「官能弛緩吐息(メロルリブレス)」で平衡感覚を奪ったところで攻撃を仕掛ける狡猾な戦術鬼である。 また、女性に縁の無さそうな男性を狙い、「献愛(ボランティア)」と称して弄んだ後に捕食する。その姿は、他人の不幸をダシに自尊心を満たそうとする歪んだ奉仕活動の具現化である。 そして覚悟に対しても「献愛」により籠絡せんと迫るが、鋼の意思を持つ覚悟に色仕掛けは通じず、正体を晒し肉弾戦を挑む。戦闘では零式防衛術による打撃や斬撃を無効化し、軟体を生かした両巨乳重爆(ダブルゼットカップボンバー)などの技を繰り出し善戦するも、「加速削減走」により顔面以外の全身を再生もままならい程のミンチ状に引き裂かれ敗北。死亡した。 激写(うつる) 覚悟と戦う前の小手調べとして、血髑郎が送った戦術鬼。手にした巨大なカメラは、ストロボ部から致死量の放射線を相手に浴びせる武器となる。覚悟に放射線を浴びせるも零に完全に防がれ、昇華弾によって登場からわずか2ページ半で倒される。 罪子(つみこ) 掘江罪子が血髑郎の洗脳を受け、戦術鬼となった姿。実際は「毒魔虫(どくまむし)」と呼ばれる生物兵器によって操られており、肉体の改造は受けていない。 最初はイモムシのような肉装甲をまとった形態で現れて覚悟を襲い、頭に埋め込まれた成仏鉄球から発する成仏光線によって「零」に宿る英霊を成仏させ、使用不能にした。さらに蝶のような姿に変態を遂げ、手出しできない覚悟を吸着性の鞭によって打ち据え、重傷を負わせる。 最後には毒魔虫から伸びた槍で覚悟を貫くが、それによって血髑郎の命令である「肉槍で葉隠覚悟を貫き通す」を完遂したため洗脳が一瞬途切れたところへ覚悟の口づけを受け、毒魔虫が死滅。洗脳から解かれ、元の掘江罪子に戻った。 覚悟(かくご) 血髑郎が生物兵器「髑魔竜(どくまりゅう)」の力で瀕死の覚悟を改造した姿。髑魔竜が吐き出す液が覚悟を包んで巨大な繭を形成し、やがて中から翼を持つ巨大な鬼のような姿で誕生した。 最初は血髑郎に従順に見え、彼の命令どおり罪子を喰おうとする素振りを見せたが、己の愛憎を殺す零式の本質を身に着けた覚悟は戦術鬼になりきらず、破裂した頭部から元の覚悟が出現。改造が失敗に終わるどころか、それまでの戦いで血髑郎から受けていた覚悟の傷も回復することになった。 鎖惨笑(さざえ) 1つの胴体から数本の長い首が伸び、その先には父、母、子供たちの頭が付いている。ガラン城内部で覚悟の前に現れるが、戦闘シーンすら描かれずに倒された。 比診子(ひみこ) 犠牲者の首を血液型別に分類して持ち歩いている戦術鬼。鎖惨笑と同じく、出現した次のシーンでは既に倒され骸と化していた。 悶十郎(もんじゅうろう) 「覚悟のススメ 特別編・絶頂天狗剣の巻」に登場。散との戦いから1年が経ち、平和を取り戻しつつある世界に現れた戦術鬼の生き残りである。普段は道着をまとった武術家の姿をしているが、正体は胴体から「奇跡手(ミラクルハンド)」と呼ばれる無数の手が生え、長い鼻を持つ巨大な獣の姿をしている。 最初は武術家の姿で覚悟に挑戦し、覚悟が戦いを避けて勝ちを譲ったことで納得して帰っていった。しかし世間がその勝利を知らないことに不満を感じ、再び覚悟に挑戦。彼が授業で野球をしているところに乱入し、クラスメイトたちにまで傷を負わせる。 最後には戦術鬼の正体を現し、覚悟を長く伸びた鼻(絶頂天狗剣)で攻撃するが、拳の一撃で飛ばされ葬られる。
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