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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

てんぐ 0 【天狗】

(1)日本固有の山の神の一。また、(とび)や烏(からす)と関係の深い妖怪の一。修験道影響を受け山伏姿で鼻が高く赤ら顔手足の爪が長くて翼があり、金剛杖太刀羽団扇(はうちわ)をもつ。神通力があり、飛翔自在という。仏道妨げ魔性と解されることもある。

(2)〔天狗は鼻が高いことから〕自慢すること。高慢なこと。また、その人
「―になる」
(3)天狗星(てんぐせい)」に同じ。



難読語辞典

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歴史民俗用語辞典

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天狗

読み方:テングtengu

山に棲む妖怪一種



近代文学作品名辞典

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天狗

読み方:テングtengu

作者 大坪砂男

初出 昭和23年

ジャンル 小説


天狗

読み方:テングtengu

作者 新美南吉

ジャンル 童話



ウィキペディア

ウィキペディアウィキペディア

天狗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/03 20:00 UTC 版)

『美勇水滸傳』木曽駒若丸義仲に鼻を摑まれた天狗(一魁芳年筆)

天狗(てんぐ)は、日本民間信仰において伝承される妖怪ともいわれる伝説上の生き物

目次

概要

一般的に山伏服装で赤ら顔でが高く、があり空中を飛翔するとされる。俗に人を魔道に導く魔物とされ、外法様ともいう。また後白河天皇の異名でもあった。

山海経』より「天狗」

中国由来

元来は中国の物怪で、火球流星痕が狗(いぬ)に似ていることから、天の狗、すなわち天狗と呼ばれた。また、中国の奇書『山海経』2巻西山経[1] の陰山の項に、「有獸焉 其狀如狸而白首 名曰天狗 其音如榴榴 可以禦凶」(獣あり。その状狸(山猫を指すと考えられる)の如く、白い首、名は天狗。その声は榴榴の様。凶をふせぐによろし)とある。

なお仏教では、経論律の三蔵には、本来、天狗という言葉はない。しかし、『正法念處經』巻19[2]には「一切身分光燄騰赫 見此相者皆言憂流迦下 魏言天狗下[3]」とあり、これは古代インドのUlkā(漢訳音写:憂流迦)という彗星の名を、天狗と翻訳したものである。

日本において天狗の言葉が初めて見られるのは『日本書紀』舒明天皇9年2月637年)、怪音をたてて空を飛来するもの(ソニックブームを生じた火球)をから帰国した学僧のが、「非流星 是天狗也 其吠聲 似雷也」(流星にあらず、これ天狗アマキツネなり)と呼んだという記載がある。奈良平安時代初期における天狗とは、『山海経』の形状の通り天狐であり、火球を指したと考えられる。

付会と俗信

空海円珍などにより密教が日本に伝えられると、後にこれが胎蔵界曼荼羅に配置される星辰・星宿信仰と付会(ふかい)され、また奈良時代から役小角より行われていた山岳信仰とも相まっていった。山伏は名利を得んとする傲慢で我見の強い者として、死後に転生し、魔界の一種として天狗道が、一部に想定されて解釈された。一方民間では、平地民が山地を異界として畏怖し、そこで起きる怪異な現象を天狗の仕業と呼んだ。ここから天狗を山の神と見なす傾向が生まれ、各種天狗の像を目して狗賓、山人、山の神などと称する地域が現在でも存在する。

したがって、今日、一般的に伝えられる、鼻が高く(長く)赤ら顔、山伏の装束に身を包み、一本歯の高下駄を履き、葉団扇を持って自在に空を飛び悪巧みをするといった性質は、中世以降に解釈されるようになったものである。

事実、当時の天狗の形状姿は一定せず、多くは僧侶形で、時として童子姿や鬼形をとることもあった。また、空中を飛翔することから、のイメージで捉えられることも多かった[4]。さらに尼の転生した者を「尼天狗」と呼称することもあった。平安末期成立の『今昔物語集』には、空を駆け、人に憑く「鷹」と呼ばれる魔物や、顔は天狗、体は人間で、一対の羽を持つ魔物など、これらの天狗の説話が多く記載された。これは1296年(永仁4年)に『天狗草子』として描写作成された。ここには当時の興福寺東大寺など7大寺の僧侶が堕落した姿相が風刺として描かれている。これら天狗の容姿は、室町時代に成立したとされる『御伽草子・天狗の内裏』の、鞍馬寺の護法魔王尊あるいは鞍馬天狗などが、その初期の原型であると思われる。

平家物語』では、「人にて人ならず、鳥にて鳥ならず、犬にて犬ならず、足手は人、かしらは犬、左右に羽根はえ、飛び歩くもの」とあり、鎌倉時代になると、『是害坊絵巻』を始めとする書物に、天台の僧に戦いを挑み、無残に敗退する天狗の物語が伝えられるようになる。また、林羅山の『神社考』「天狗論」、また平田篤胤の『古今妖魅考』に、京都市上京区に存在する「白峯神宮」の祭神である金色の鳶と化した讃岐院(崇徳上皇)、長い翼を持つ沙門となった後鳥羽上皇、龍車を駆る後醍醐天皇ら、『太平記』に登場する御霊が天狗として紹介される。

天狗の絵(春日町兵主神社)

吾妻鏡天福2年(1234年)3月10日条の記述には、「2月頃、南都に天狗怪が現れ、一夜中にして、人家千軒に字を書く(「未来不」の三字と伝えられる)」と記述されている。『吾妻鏡』では、彗星に関する記述も多く記載されているが、この天狗の記述(13世紀中頃)に関しては、彗星ではなく、別の怪異(けい)と認識していた事が分かる。外観についての記述はないが、字を書けるという事は分かる内容である(一夜にして千軒の家に字を書く事が、人ではなく、天狗の所業と捉えられた)。

天狗は、慢心の権化とされ、鼻が高いのはその象徴である。これから転じて「天狗になる」と言えば自慢が高じている様を表す。彼等は総じて教えたがり魔である。中世には、仏教の六道のほかに天狗道があり、仏道を学んでいるため地獄に堕ちず、邪法を扱うため極楽にも行けない無間(むげん)地獄と想定、解釈された。

天狗の種類

前述のように、天狗が成立した背景には複数の流れがあるため、その種類や姿もさまざまである。一般的な姿は修験者の様相で、その顔は赤く、鼻が高い。翼があり空中を飛翔するとされる。このうち、鼻の高いのを「大天狗」、鼻先が尖ったのは「小天狗」あるいは「烏天狗」という。

山伏天狗

種類としては、天狗として世にあだなし、業尽きて後、再び人身を得ようとする「波旬」、自尊心と驕慢を縁として集う「魔縁」と解釈される場合もある。

またその伝承も各地に伝わっており、変わったものとして、紀州に伝わる、山伏に似た白衣を着、自由自在に空を飛ぶ「空神」、長野県上伊那郡では「ハテンゴ」といい、岩手県南部では「スネカ」、北部では「ナゴミ」「ナゴミタクリ」という、小正月に怠け者のすねにできるという火まだらをはぎとりに現われる天狗などが伝えられる。姿を見た者はいないが、五月十五日の月夜の晩に太平洋から飛んでくる「アンモ」もこの類で、囲炉裏にばかりあたっている怠け童子の脛には、茶色の火班がついているので、その皮を剥ぎにくるという。弱い子供を助けてくれ、病気で寝ている子はアンモを拝むと治るという。静岡県大井川では、『諸国里人談』に、一名を「境鳥」といい、顔は人に似て正面に目があり、翼を広げるとその幅約6尺、人間と同じような容姿、大きさで、嘴を持つ「木の葉天狗」が伝えられており、夜更けに川面を飛び交い魚を取っていたと記されている。また、鳥のくちばしと翼を持った鳥類系天狗の形状を色濃く残す「烏天狗」は有名である。有名な是害坊天狗などもこの種で、多くの絵巻にその姿が残されている。尼がなった「女天狗」や、狼の姿をした狗賓という天狗もいた。


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  1. ^ Wikisource-logo.svg 山海經: 山海經/西山經 - ウィキソース
  2. ^ 正法念処経巻第十九”. 仏教典籍検索. 広済寺. 2010(平成22年)-08-12..閲覧。
  3. ^ 大正大蔵経 T0721_.17.0111a02:一、T0721_.17.0111a03: 切身分 光焔騰赫 見是相者 皆言憂流迦、T0721_.17.0111a04下 魏言天狗下
  4. ^ 天狗のイメージ生成について
  5. ^ 高山建吉「遠州の天狗囃子」、『民間伝承』15巻第2号、民間伝承の会、1951年2月、19頁。
  6. ^ 柳田國男監修 民俗学研究所編 『綜合日本民俗語彙』第4巻、平凡社、1955年、1644頁。
  7. ^ 千葉幹夫 『全国妖怪事典』 小学館〈小学館ライブラリー〉、1995年、116頁。ISBN 978-4-09-460074-2
  8. ^ a b c 岩井宏實 『妖怪と絵馬と七福神』 青春出版社〈プレイブックスインテリジェンス〉、2004年、57-58頁。ISBN 978-4-413-04081-5
  9. ^ 倉田一郎「青根村の霊怪」、『民間伝承』1巻第20号、民間伝承の会、1936年8月、6頁。


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