学校の怪談 (1作目)に登場
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「学校の怪談 (映画)」の記事における「学校の怪談 (1作目)に登場」の解説
小室香織 事件当日(ポプラ社版小説では3年前)に病気で亡くなった少女の幽霊。みんなとの思い出を求めて旧校舎に現れ、生徒たちと行動を共にする。 皆が旧校舎から脱出するのを見届けた後、最後に脱出した将太に「私を忘れないで」と言い残した。 集英社版小説のエピローグでは、後日談を香織の視線で描いている。 クマヒゲ / インフェルノ 旧校舎を掃除していた用務員。伸一が小学生だったころから学校に居り、死後も学校に幽霊として留まっていたが、邪悪な妖怪が乗り移る。正体は蜘蛛のような姿をした凶暴な妖怪(怪物)。クマヒゲ自体は短気で頑固だが、悪霊ではなく悪さはしない。目玉は眼鏡と一体化しており、これをなくすとより醜悪な怪物「インフェルノ」に変貌する。 クマヒゲの状態では校則に厳しく、廊下を走っていると「廊下を走るなぁ!!」と怒鳴りつける。学校全体が彼の活動場所であるが、特に用務員室を「自分の城」といって聖域のように扱っており、そこを犯す侵入者には有無を言わさず鬼気迫る表情で襲い掛かってくるなど縄張り意識が強い。最後は他の凶暴な妖怪達と一緒にハニ太郎に封印され、インフェルノと分離し解放されたクマヒゲの幽霊は「廊下は走るなよ!」と優しく注意しながら、旧校舎へ消えていった。 クマヒゲの時は役者、インフェルノのときは着ぐるみで表現。その変身過程では特殊メイク、アニマトロニクスで撮影。元々は「用務員フェルノ」という引っ掛けの名前が考案されていたが、用務員に対する差別表現となる可能性があった為、クマヒゲという名前となったエピソードがある。妖怪の姿も子供が怖がるだろうという理由で蜘蛛をモチーフとしている。顔のモチーフは骨盤。名の由来は「地獄」の意。 ポプラ社版小説では、クマヒゲは幽霊ではなく普通の用務員で、妖怪になるのは偽者のクマヒゲである(伸一の偽者も登場し妖怪になる)。一方、集英社版小説では、クマヒゲは登場せず、代わりに生徒に屋上から突き落とされた鬼島という事務員の目だけの幽霊が登場する(みらい文庫では、突き落とされた設定と名前がカットされている)。 メリーさん 冒頭で美夏から語られる劇中怪談。内容は学校を舞台にするほかは都市伝説として流布されるものを踏襲しており、一人学校に残っていた職員がメリーさんに殺され、その後全身の血を全て抜かれた死体で発見されたという。ただし亜樹からは「職員が死亡したら、誰がこの話を伝えるのか」とロジカルに矛盾をつかれてしまった。 都市伝説においては、フランス人形の姿をしたメリーさんが有名だが、劇中ではスイカをジャックランタンのようにくり抜いた姿として登場。これはSFX担当が独断で行ったもので、この作品のテーマを決定付けている。モーションコントロール・カメラで撮影された素材を合成している。 口裂け女 旧校舎の保健室に登場。「私ってキレイ?」と笑いながら質問しマスクを外すものの、都市伝説のように質問対象を追いかけてはこない。役者が演じている。 研輔、将太は上記の質問に「ブス」と答え「ポマード、ポマード」と叫びながら逃げた。 ベートーベンの亡霊 音楽室に登場。亡霊の楽団の演奏の指揮をしている。音楽室で香織といい雰囲気になろうとする将太のためにムード音楽の演奏を指揮し、将太にウィンクをした。 本編からはカットされたが、ベートーベンの肖像画から抜け出して登場するシーンが存在する。 亡霊の楽団 音楽室に登場。ベートーベンの亡霊の指揮の下、音楽室で香織といい雰囲気になろうとする将太のためにムード音楽を演奏した。どぎついメイクをしているほかは数人編成の楽団で演奏しているだけ。 いずれもワハハ本舗所属の役者が演じている。ゾンビの特殊メイクに加えて多重合成をしている。徐々に旋律が崩れていく。 巨人 眼鏡を掛けており、ゴム草履を履き、浴衣を着た太った巨人の男の子で、廊下を歩き、隠れた亜樹に笑いかけた。悪さはしない。 役者が演じたものを単純に合成している。天井がどうなっているかは不明。後に発売されたDVD-BOXの特典ディスク内で、巨人が歩く廊下をミニチュアで再現し、役者が歩く場面を先に撮影し、劇中でその映像の足元だけが拡大されて映るように合成している様子が紹介されているシーンがあるが、このシーンにおいては天井は存在していない。 動く粘土の手 図工室にて登場。昔の児童が作った油粘土細工の手首が動き出したもの。 映像上では、ドライアイスの中から実際の手をたくさん突き出すことで表現している。粘土が変化する部分はストップモーション・アニメーションで表現している。 動くホルマリン漬け解剖標本 理科室に保存されていたホルマリン漬けの動物解剖標本であったが霊の力で蘇生。内臓の動きが異様にリアル。 前半終了時には瓶から抜け出て二足で立ち上がる蛙や芋虫状の標本が登場。 骨格標本 研輔が理科室から持ち出し、その後昇降口に放置されてしまったはずが、いつの間にか元の位置に戻っていた骨格標本。自力で戻ったのか、何者かによって戻されたのかは謎。 劇場販売小冊子では妖怪として紹介されている。 動くサッカーボール 最初に出現した妖怪で、不自然な動きと反発力で人の目を引き、美夏を旧校舎に誘導し閉じ込める。この妖怪の出現が物語の日常を非日常に変える。 青いチューリップ 夏場の旧校舎で瑞々しく活けられている自然界には存在し得ないチューリップの花。これから起こる異質な世界を暗示するものとなっている。 光の蝶 退魔の魔方陣を修復した際に出現。上記の妖怪と異なり災厄を遠ざける力があり、用務員室に閉じ込められていた均と美夏の下へ案内した。 ハニ太郎 前嶋昭人原作の『ハニ太郎です。』シリーズからポプラ社の作品繋がりで映画に登場した埴輪。モチーフは埼玉県熊谷市野原古墳から出土した「踊る男女」の男子埴輪である。 厳密には妖怪ではなく普通の埴輪と何ら変わりない置物で、自分で動いたりする事も無い。旧校舎裏に無造作に放置されているが「神秘の力」で諸悪を封じる聖なる依代として物語の重要な鍵を握る存在となっている。序盤で旧校舎裏で遊んでいた将太の友人がボールをぶつけて胴と頭部が分断されてしまったため、妖怪たちが解放されてしまった。 ある程度の儀式を行えば壊れていても再生可能で何度でも封魔の力を宿すことが出来る為、インフェルノを中心とした多くの妖怪からは恐れられている。その為子供たちや学校関係者がその存在に気付かないように妖怪側も様々な手段を用いている。 DVD-BOXの特典映像では、繊維強化プラスチックでかたどった白色の模型の中に電球を入れて光らせていたと紹介されており、撮影終了後はSFXを務めた中子真治の自宅でムードランプとして使用されているという。 鏡 旧校舎の階段の踊り場に取り付けられている鏡で、美夏を捜索する亜樹の背後で捕らわれている美夏の姿が映っていた。一面が明るく、反対側が暗い場合、鏡になるが、ライトを当てると透過するマジックミラーの特性を使い撮影されている。このシーンはこの撮影方法の実験的なものだったと特撮担当は語っている。
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