にゅうじ‐ボツリヌスしょう〔‐シヤウ〕【乳児ボツリヌス症】
乳児ボツリヌス症
乳児ボツリヌス症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 23:42 UTC 版)
乳児ボツリヌス症(フロッピーインファントとして言及されたりもする)は1976年に初めて認識され、米国で最も一般的なボツリヌス症の形態である。生後1年未満の乳児がこのボツリヌス症に罹りやすく、症例の90%以上が6ヶ月未満の乳児に起こる。乳児ボツリヌス症は、ボツリヌス菌芽胞の摂取と、その後の小腸における定着の結果として発現する。腸内微生物叢(正常なフローラ)の組成がボツリヌス菌と戦って成長を阻害するのにまだ不十分であり、胆汁酸の濃度が高齢期のそれよりも低い場合、乳児の腸に菌が定着してしまう場合がある。 芽胞の発芽はボツリヌス毒素を放出し、これが後に血流に吸収されて全身に取り込まれ、神経筋接合部でアセチルコリンの放出を遮断することによって麻痺を引き起こす。乳児ボツリヌス症の典型的な症状には、便秘、無気力、衰弱、摂食障害、おかしな泣き声などがあり、完全な下降性の弛緩性麻痺へと進行することが多い。便秘は乳児ボツリヌス症の最初の典型的な症状であるが、それは一般的に見落とされている。 蜂蜜はボツリヌス菌芽胞を含む食物として知られており、乳児ボツリヌス症に繋がるとされている。このため1歳未満の乳児に蜂蜜は推奨されない。ただし、乳児ボツリヌス症の多くの症例は自然環境から芽胞を取り込んだことで引き起こされたと考えられている。ボツリヌス菌は土壌中に普遍的に常在している細菌である。多くの乳児ボツリヌス症患者は、建設現場や土壌攪乱した地域付近で生活していたことが実証されている。 乳児ボツリヌス症は、米国の50州のうち49州(ロードアイランド州は被害なし)で報告されており、日本を含む5大陸26カ国でこの症例が確認されている。
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