エチルアルコール【(ドイツ)Äthylalkohol】
エチルアルコール(えちるあるこーる)
その分子中に水酸基(―OH)を有する一群の有機化合物。1分子中に水酸基1個を有するものを1価アルコール、2個を2価アルコール、3個を3価アルコールという。また炭素原子が少ない(低級)アルコールは水に溶けやすいが、多い(高級)アルコールは水に溶けにくくなり、ついにはロウのような固体になる。通常、単にアルコールという場合にはエチル・アルコール(エタノール)を指し、酒類に含まれる主要アルコールで、炭素原子二個を有す、無色透明、沸点78℃の揮発性の液体である。酵母の発酵作用により、砂糖・ブドウ糖などからつくられるが、穀類などのデンプン質原料はデンプンを糖化し、ブドウ糖にかえてからアルコール発酵させなければならない。また、石油化学工業の副産物であるエチレンからの合成法でもつくられるが、飲用目的での使用は禁止されている。エチル・アルコールは酒類として人間とのかかわり合いの歴史が長く、人体に対して害の少ないことや致酔性のあることで知られ、人間社会に欠くことのできない存在となっている。酒類中には炭素原子が3個以上のアルコールも微量に存在する。これらのうち炭素数が3~5個のものをフーゼル油と総称し、タンパク質の分解物であるアミノ酸から生成される。酒類の香味を引き立たせる有用成分とされており、特に蒸留酒にとっては重要な成分である。アルコールは分子中に水酸基を持っているので味覚としては甘く感じる。また発酵過程で有機酸と結合してエステルをつくり、酒類の重要な芳香成分となる。
えちるあるこーると同じ種類の言葉
- えちるあるこーるのページへのリンク